ワタシの事情 《 3B 》

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「はい、」






そこに立っているのは、髪を綺麗に巻いて

ボーリングには少し相応しくないワンピースを着た女性。





その後ろには男女のグループが楽しそうにレーンにやってきた。





翔『あ、...っ』

女性『翔太くん、何してるの?』

翔『いや...ごめん、』





なんだかバツが悪そうな表情の渡辺さん。


その人は渡辺さんのことを"翔太くん"って呼ぶみたい。







女性『なんで私の連絡無視したの？』

翔『あ...えっと、ごめん』

女性『ちゃんとこっち見てよ！』






なんだか険悪なムード。



あのー、まさか女性の方は私の存在見ててないですか？






私なんていないかのごとく、渡辺さんに話しかける女性。





女性『翔太くん......私たち、もう終わったの?』


翔『...ごめんだけど、付き合った覚えはないんだよね』


女性『え...？
　 でもあの時は、好きだって言ってくれたじゃん、』


翔『ごめん...、それも覚えてないんだわ。

　 もしかしたら酒の勢いとかで言っちゃったかもだけど、誤解させたなら申し訳ない』





あちゃー......

これは修羅場か







どちらにしても渡辺さんがクズなことだけはわかる。





まあでも、修羅場には邪魔者だな、って足図去したときだった。







女性『最低っ！』






そう言って、頬をパチンと叩く音。


生憎、ボーリングの音のおかげでそこまで広範囲には聞こえてないみたいだけど...







女性は涙ぐみながら、そのまま走り去り、


連れのグループの方へと行った。








頬を叩かれた渡辺さんはポケットに手を突っ込んで、その場に立ち尽くしてたけど。






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