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翌朝、起きたら康二くんいないかな〜なんて思ってたら、
『......Aさーん、』
康二くんの声で目が覚めた。
『......ん』
「はっ、寝起きも可愛い」
「ん.....知って..」
私は目覚めが悪い方。
でもずっと"可愛い可愛い"って声が聞こえてきて、嫌でも目覚めるよ。
なんだって康二くんは、私が職場に遅刻しないよう起きるの待っててくれたんだって。
ただのワンナイトにしては、律儀だね。
なんだか康二くんに私は気に入られたみたいで、連絡先の交換を求められた。
「うん、いいよ」
だって、私もまた会いたいって思ってたもん。
『え！ほんまに？やったー！
いっぱいLINEしよ、』
「いや、限度は考えてね？」
なんて言うとちょっと萎えてたけど
康二くんは昨日までのドンヨリ子犬モードから抜け出したかの如く、ノリのいい関西人になっていた。
「吹っ切れたの?塚原さん」
『今それ聞く？？』
「あ、いや、元気そうだなって」
『うーん、なんか昨日のAちゃんの言葉で吹っ切れたかも。
でもやっぱ一人は寂しいし、Aちゃんに頼っちゃおっかな...』
「ふふ、」
『あ、ごめん俺やばいこと言ってんなぁ、
Aちゃん利用することしか考えてへんかったわ.....ほんまごめん』
「いやいや、だから、私康二くんに利用されるの嫌じゃないから、
癒しにでもなんでも、」
『俺クズやから、』
「あ、っそ、」
なんだろう。
自分のことをクズだからって、もうこんな関係になったのに急に突き放して自分のことを守る康二くんが少し嫌で
私こそ突っ放した言い方になってしまった。
『ごめんな、...
じゃあ、俺も会社行くわ』
「あ、...私こそごめん、
いってらっしゃい」
私は康二くんに惹かれてるんだから
可愛くいればいいのに、そういられない自分に腹が立つ。
康二くんの行った後は部屋が広く感じて、
まだ出社しなくてもいい時間なのに、10分もしないうちにホテルを後にした。
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作者名：あやの | 作成日時：2021年7月7日 9時
