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1年後









『ねぇ、康二〜、私こっちがいい』




「えぇぇ!それ俺のために買ったアイス!
 Aのはイチゴ!」




『私だってバニラがいいもん!
 ジャンケンだからね!』








こんなくだらないことで喧嘩してる私たち。




無事、1年経った今でも、康二の隣で過ごせている。




もちろん従兄弟の翔太とも、お互いに刺激しあって、今でも付き合いがある。




あ、翔太はやっと彼女ができたみたいで、最近は惚気ばっか。




まあ感謝してるから、聞いてあげるけど、あそこまで惚気られると正直聞き手はうんざり。




なんて、言わないけど。









『あの日から一年なんやなぁ』




「そうだね、

 あのときはこんなアイスでくだらない喧嘩してることすら、想像できなかったな」









そう、私たちにとって今日は1年記念日でもある。








『なぁ、A、こっち向いて』





アイスを頬張る私を呼び止める康二。




ただならぬ康二の緊張感に、こっちまでアイスを頬張るのを止めてしまう。







「ど、どうしたの?」




『A』




「はい、」




『俺も結婚してください』








目の前で正座してる康二は、私にその言葉と、ダイヤの付いた結婚指輪を差し出した。









「...え、待っ...」





『な、泣かんとって!

 俺まで...っ...泣いてまうやろ』





「もう、泣いてんじゃんん...」




『ぶへ....』




「康二くん、」




『はい』




「こちらこそ、よろしくお願いします」





『......っ、無理』








泣き虫康二は、私の返事に余計涙腺崩壊してしまって、持ち前の顔はぐちゃぐちゃだけど、




涙で定まらない視野のなか、私の左手の薬指にそっと指輪をはめてくれた。









今、わたしはとても幸せです。





康二との刺激的な毎日が続いてる。









わたしも、康二に伝えておかなければならないこと、あるんだ。






「康二、こっち向いて?」



『んー?』






「わたし、康二より大切なものできた」






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作者名:あやの | 作成日時:2021年7月7日 9時

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