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prrr...
『んぁ、もしもし、どしたのA』
「やっほー翔太」
わたしは無事、康二くんとお互い気持ちを言い合って、自分の気持ちをはっきりさせて
翔太に電話をかけた。
『なに、』
「あ、えっと、ね、この前の返事なんだけど」
『あ、待って、言わないで』
翔太は何かを察したかのように、私の言葉を遮った。
『......やっぱ、ダメなんだな、俺は』
「......ごめん」
『ふは、謝んなって、
余計虚しいじゃん』
「翔太はやっぱり」
『やっぱお前はさ、
なんだろ、ちょっと傷つけられるくらいのが丁度いいんだろな』
「な、」
"失礼な"って言ってやりたかったけど、
的確で、否めなかった。
『俺みたいな、一途でいいやつはAとは釣り合わねーんだわ』
「ちょ、それ康二くんにも失礼でしょ！
それに」
『お前には幸せになってほしい、
たとえAがどんだけ傷付けられても。
Aがそれを求めるなら、俺は応援してる』
「え......」
『次こそは、幸せになれよ、
じゃ、』
「え、待って！ありが...」
ﾂｰﾂｰﾂｰ
電話は一方的に切られてしまって、結局私が伝えたかったことは何も伝えられなかった。
答えは、そうなんだけど
翔太への感謝の気持ちだったり、これからも従兄弟として関係性を維持していきたいこと、こんな私を愛してくれてありがとうって気持ちも何も伝えられなかった。
でも、翔太らしく、少し皮肉っぽいけど私のことを誰よりも大切に考えてくれる、優しさを改めて知った。
ありがとうね、翔太。
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作者名：あやの | 作成日時：2021年7月7日 9時
