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『仕方ない、俺が最初はAちゃんを、塚原さんを忘れるために、都合の良い女として扱ってたんや。
でも気付いたら、好きになってて、付き合うとか、そんなん都合良すぎるってわかっててん。
けど、この前Aちゃんちに男の人が入ってくの見て、めっちゃショックやったし、正直めっちゃ妬いた。で、気付いてん。
俺が遊ばれててんなって』
ちょっと、どういうことかわかんない。
私が康二くんを弄んでた？
私の家に男が入った？
入ったって、あの日翔太が来た日のこと？
「え、待って、康二くん。
信じてもらえるかわかんないけど、私ほんとに他に男なんていないよ！浮気なんてしてない！」
『じゃあなんで付き合ってもない男、家に上がるねん。
あの日、俺には来るなって言ったやろ?
やのに他の男が来てるって、』
「あれは、ほんとに違うの！
疲れてたから、康二くんち行くの断った直後に翔太から連絡きて、」
『翔太、？誰やねんそれ。
てかそんな都合良い話信じれるかよ』
「翔太は、あの、従兄弟なの！
本当に！ちょっと待ってね、LINEみる...」
『もうええて、』
そう言って康二くんは立ち上がった。
待って、帰らないで！
ほんとに翔太とは何もない、ただの従兄弟だし。
あの日、何もなかったと言えば嘘になるのかもしれないけど、あくまでも一方的な話で、私たちは健全な従兄弟なのは間違いないの。
「信じて！ほんとだから、
ほら！このLINE！」
私は今までの翔太とのLINEだったり、幼少期の私たちの家族写真を見せて、翔太はただの従兄弟だって訴えた。
「...これで、信じてくれた？」
『流石に、信じるしかないやん、こんなん。』
彼は涙を流してて
涙を流させたことに申し訳なさは感じるけど、ほんとに私のこと好きでいてくれたんだって安心した。
『俺、めっちゃヤキモチ妬くし、
この前男がAちゃんち入っていくの見た時、正直ショックというより、Aちゃんが誰かに取られてることに腹立ったし
結局俺は、昔と何も変わってない』
「腕、組んでたよね」
『...見られてたんかぁ。
情けない、最低なトコ見せちゃったなぁ』
知ってるよ?康二くんがそうやって気持ちを鎮めることくらい。
それに私だって、そうして近づいたんだから。
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作者名：あやの | 作成日時：2021年7月7日 9時
