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家はバーの近くだってのに、今日は帰らなかった。
タクシーで10分ほどのホテル。
部屋に着くなり、私たちは唇を重ねた。
「.......ん....ふ.......」
この静かな部屋で、私たちの舌を絡める音と荒い息だけが響いてる。
『....はぁ...........名前、なんていうん？』
今、とても良かったのに、唇が離れた。
そう言えば名前も教えてなかったんだっけ、
「冴島 A」
『へぇ、Aさんね、素敵な名前やね』
何よその、誰にでも言えるような感想は、
なんて思ったけど口にはしない。
「あなたは？」
『向井 康二、こーじって呼んで』
「わかった、こーじ、」
"康二"
知ってたけど、名字も気になって聞いてみた。
自分から名前で呼んでって言ってくるなんて、可愛い男だな。
口寂しくて、再び唇を重ねた。
康二の舌も熱くて、
康二が私のを割って入ってくる。
しっかり掻き乱すくせに、無駄じゃない、深いの。
こんな男手放すなんて、塚原さん、だって、損してるな〜なんて考えてたら、
『他の奴のこと、考えてる?』
そう聞いてきた。
意外と独占欲強い感じね、
「ううん、...康二のキス、気持ち良いなって、」
『ふは、無理、Aかわいいなぁ、』
そう言うと、康二の手が私の服の下に忍んできた。
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作者名：あやの | 作成日時：2021年7月7日 9時
