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『よっ』
「よっ、て急に来るのやめてよ〜」
『いいじゃん、従兄弟なんだから』
そう言ってズカズカ上がってくる翔太。
慣れたようにソファに座るんだから、ちょっと腹立つ時もある。
「どうしたのよ、いきなり」
『いや、別に、お前最近どうしてんのかなって』
「なにそれ笑
そんなのLINEで聞いてくりゃいいじゃん」
『顔見ねぇと分かんないこともあんだろ』
「心配してくれてんだ」
『何年お前の従兄弟やってると思ってんの』
なんだかんだ、心配して見に来てくれたみたい。
翔太はほんとに私を守ってくれて、たくさん話も聞いてくれて、
兄のいない私にとっては、お兄ちゃんみたいなもの。
「いつも、ありがとね」
別に連絡もよこしてないのに、私がちょっと複雑な気持ちの時に会いにくるなんて、従兄弟のパワーなのか、なんなのか。
『ふはっ、改まって、なんだよ笑』
「感謝してんの〜
あ、飲む?今缶ビールしかないけど」
『缶ビールって、まじおっさんだね』
「あのね、ビール飲む女子なんて世の中何人いると思ってんのよ」
『ビール飲む女性はそりゃいるだろうけど、お前みたいに缶ビールしか置いてないなんてそうそういないんじゃね？』
「もう、うるさいな〜」
冷蔵庫を漁って見つけたのはキャンディチーズくらいで、
「あげる」
『ん、あんがと』
「翔太こそ、何かあったの？」
『いや、普通にAなこと気になっただけ』
「へぇ〜、そっ、か」
『てか、さ、』
「ん？」
『お前、それ誘ってんの?』
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作者名：あやの | 作成日時：2021年7月7日 9時
