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「最低なこと、？」
『俺な、Aちゃんが言ってたみたいに、塚原さんのこととか苦しい気持ちを忘れたくて、Aちゃんに甘えててん。
でも一緒にいるうちに、Aちゃんが掛けてくれる言葉とか、気持ちが嬉しくて、Aちゃんをこれ以上傷つけたくないけど、離したくないって思った』
「え...っと、」
『塚原さんのこと忘れられへんのに、Aちゃんのことも手放せへんくなった。
ほんまに最低やろ』
そう言った。
正直、ちょっと嬉しかった。
私、使い捨てじゃないんだ。
康二くんに必要とされてるんだね。離したくない存在になったんだ。
「康二くん、私...嬉しいよ」
『..っ....』
「必要とされるだけで嬉しかったけど、私のことも見てくれてるなんて、そんな喜ばしいことないよ」
『俺、クズで最低やで』
「それ何回も聞き飽きたよ。
私はそんな康二くんが好きなんだよ」
『...やばい、俺も、嬉しい』
「塚原さんのこと、忘れてよ」
言いたくても、言えなかった言葉。
康二くんの目は見れなかったけど、やっと言えた。
『俺も前に進みたいし、Aちゃんと一緒にいたい。
Aちゃん、俺と付き合ってくれへん?』
そう私の目を見ていった。
私はｺｸﾘと頷いたら、
そう言って康二くんはリビングに飾られてる写真立てを棚にしまった。
『塚原さんへの気持ちは忘れたいけど、2人は大事な同期やから捨てられへん、』
「うん、気持ちに区切りをつけることが、大事なんだよ」
『そうやな、』
たった一言、だけど康二くんの決意が感じられた。
『前に進めてくれて、ありがとう』
「こちらこそ、前を向いてくれてありがとう」
私たちは目を見合って、お礼を言い合って、
愛のあるキスをした。
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作者名：あやの | 作成日時：2021年7月7日 9時
