ただの都合の良い女だから《橙》 (ページ22)

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Koji side

俺は最低な男や。

昔から、失恋したら、つい女性で気持ちを埋めてしまうことが多い。

周りに女の子がいることも多くて、

その子が俺に好意があることに気付きながらも、自分の気持ちのために頼ってしまうこともある。

そのときは気持ちで行動しちゃうけど、全部が終わって自己嫌悪に襲われるねん。

今回もそうやった。

俺と目黒と塚原さんは、同じ会社の同期。

一緒に協力して研修から乗り越えてきたし、切磋琢磨してお互いを高め合うことも多かった。

塚原さんもノリが良いタイプやから、俺と塚原さんでボケて、目黒がつっこむ、

気が合って、一緒にいたらずっと笑ってられるから大好きな同期。

いつのまにか塚原さんに惹かれてる自分がいたけど、3人の関係性を壊したくなくて、俺は自分の気持ちを伝えたりはしやんかった。

でも、気付いたときには目黒が塚原さんの恋人になってた。

好きな人を奪われてショックやっただけやない。

二人は、付き合ってるってことを半年間も俺に隠しててん。

理由は一緒、関係性壊したくないからって。

そんなん、いつ知っても一緒やん。

何年も一緒にいた仲やのに、秘密にされてることも悲しかったし、

俺はそれを知っても、そんなことで二人と縁を切ろうなんて思わへん。

それに、目黒は俺の気持ち、なんとなくわかってたらしい。

やから言いにくかってんて。

なんやねん、それ。

ずっと前から抱いてた好意は、半年も前から報われへんって決まりきってたし、

この半年間も塚原さんにドキドキしたことは何回もあった。

この半年間、いろんなことで二人と笑い合った。

けど、あの時の俺には二人に対して

"裏切られた"

そんな気持ちが強かった。

そんなときにバーで出会ったのが、Aちゃんやった。

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