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『ほっぺぷくっとして、
Aちゃん拗ねてんの?』
「拗ねてないから」
『いや、わかりやすっ』
「いやだってさ、たこはあれくらいが美味しいんだよ」
『明らかにデカすぎやろ笑
生地貫くデカさやで?』
「たこの旨味、いっぱい味わえるでしょ！」
そう、私は我がプライドのせいで
たかがタコを切り直されただけで憤慨している。
そんな私を宥めながら、頭をポンポンしてくれる康二くん。
優しくされればされるほど心臓はドキドキするし、康二くんの沼にハマっていく自分に気付く。
「んふふ、」
『あ！笑った〜、よしよし』
「私、単純でしょ？」
そう聞くと、
『素直なんやな、
そうやって反応に出してくれる方がわかりやすくて、俺は好きやで』
"俺は好き"だって。
そんなこと軽々しく言えちゃう康二くんは、やっぱり、うん、軽い男なのかな。
「そうやって、すぐ好きって言っちゃダメだよ。
私ほんとに好きになっちゃうから」
もうなってるけどね。
『え、俺のこと、好きなん？』
「んー......もう好きになっちゃいそうだし、
好きな気持ち認めたい、かも」
『なんか、そうやんな。
俺が昨日中途半端に抱いて、軽々しく期待させるようなこと言ってるんやな、
......やっぱ俺ってクズいわ』
眉を下げながら自分で自分を蔑む康二くん。
私の発言への返事はないけど、自分を蔑む康二くんが苦しそうで、
気付いたら抱き締めてた。
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作者名：あやの | 作成日時：2021年7月7日 9時
