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「お邪魔しまーす」
え、待って広くない？
この歳にして、この土地で、この広さのマンションに住んでるなんて、賃貸だとしてもすごくないですか？？
そして何より、お部屋が綺麗で、
少なからず私の部屋よりも物は少ないし、綺麗に整理整頓されてて、埃一つ落ちてなさそうな部屋。
「お部屋綺麗だね、ちょっとこれは意外」
『うーわ、それ前失恋した女の子にも言われたわ』
「へぇ、そうなんだ」
そんなぶっきらぼうな返事しかできなかった。
その女の子も、上げてたんだね。
まあ会って3.4日の私を家に上げれるくらいだから、この家の敷居はそんなに高くないのはわかるけど。
『じゃあたこ焼きの準備するから、ソファでも座ってくつろいどいて！』
彼が指さす方には一人じゃ大きすぎるでしょ、ってくらいの皮のソファ。
なんだか1日外にいた私が座るのは申し訳なく感じるくらい高そう。
それにお邪魔してる私が何もしないって無礼にも程がある。
「いや、私も手伝うよ。
私でもタコくらい切れるんだから」
『タコなんか誰でも切れるわ！笑
もしかしてAちゃん、あんま料理しやん?』
「ぎく、」
『はは！"ぎく"って言葉に出す人初めて見たわ！
んー、じゃあタコさんはAちゃんに任せようかな』
「料理できないなんて、恥ずかしいとこ見せるわけにいかないし、これくらいはできるよ！」
『Aちゃん、喋れば喋るほど、自分が料理できひんのバラしてもーてんで』
「え......」
『まあ、何か1つ2つできひんことある方が魅力的やったりするけどな〜』
「ふふ、じゃあこれから料理できないこと胸張って生きてくね」
『うーん、俺は、魅力的に感じるだけやからな！他の人はどうなんやろ...』
なんて言いながら、私に包丁とたこを手渡す康二くん。
余裕を見せつけながらたこを切ったんだけど、
たこ焼きのたこってどれくらいのサイズかわからなくて、結局適当に切ったら
『待って、これデカすぎやろ！笑
たこ焼きに収まらんわ！』
たこ焼きのプロにそう言われて、切り直された。
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作者名：あやの | 作成日時：2021年7月7日 9時
