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結局翔太と別れた後の私は家には帰らず
街をぶらぶらして
カフェでコーヒー頼んで時間を潰した。
そして待ち合わせの時間にバーの前に、
行くと、もうそこには康二くんがいた。
「ごめん、待たせたかなぁ」
『ううん、さっき来たとこ』
「そっかそっか、」
"さっき来たとこ"って言うときは大抵結構前から待ってくれてたパターン
私のために待っててくれたんだな、
そう思うだけでなんだか満たされるものがある。
『じゃあ何食べたいー?』
「んー、......」
『その様子やと...特になさそうやな、どうしよか〜』
なんて言いながらマップで近くのお店を探す康二くん。
ここは？
この店は?
あ、イタリアンとかどう？
なんていっぱい聞いてくれるんだけど、なんだかしっくりこないワガママな私。
指定はしないのに、否定はする、なかなか気難しい私に対して康二くんはへこたれることなく、ひたすらお店を出してくれる。
ごめんね、康二くん。
今頭の中で精一杯食べたいものを検索してるんだけど、いまいち出てこなくて......
「......たこやき」
必死に探してくれる康二くんの関西弁を聞いてたら、たまにはたこ焼き食べたいな〜って気持ちになった。
『え、たこ焼き？
ほんまにたこ焼き？』
「うん、ほんまに、」
関西弁のイントネーションなんてわからないけど、復唱してみる。
あるあるだよね、方言につられちゃうの。
『くぅ〜〜、Aちゃんの関西弁もええな、
方言美人って最高なんよ！』
ちょ、今しれっと"美人"って言いました？
なんだろ、咄嗟にそんなこと言われるとこっちもパニックパニック。
脳内処理が追いつかないし、なんて返事すればいいか困ってたら、彼の会話の回転はフルマックスで
『んじゃ、たこ焼きにしよ！
たこ焼きは俺作るの得意やし、そこらのお店より断然俺の方が上手いの作れるねん』
なんて、もうたこ焼きの話に変わってた。
「え、すごいじゃん」
『ちょっと、ここは俺に腕試しさせてや。
うち来る?』
そうキメ顔でいう康二くん。
たこ焼きには本当に自信があるみたい。
「じゃあ、お言葉に甘えてお邪魔させていただこうかな」
『ははっ、全然ウェルカムやで〜』
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作者名：あやの | 作成日時：2021年7月7日 9時
