ただの都合の良い女だから《橙》 (ページ14)

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「結婚適齢期に差し掛かってきてるってのに」

『いや、あの俺だって結構モテんだよ?』

「知ってるわ、」

翔太は従兄弟なわけだけど、小学中学と一緒で、運動会だって母親同士が仲良く観覧してた。

それにまあまあ馬鹿な翔太だけど、高校受験の時は常に塾に入り浸るくらい頑張って、

偏差値20くらいあげて私と同じ高校に入学した。

まあ、高校生の間は赤点地獄で嘆いてた翔太だけど、そんなわけで翔太の学生時代のモテ具合なんて嫌でも覚えてる。

「バレンタイン何個もらったんだっけ？」

『最高73個ね、ナメんなよ』

「ははっ、武勇伝だね」

『食べきれなくてお前んち持って行ったのも覚えてるわ』

「そうなのよ、2月になるとチョコには困らなかったよね！

　それが今じゃさ......」

『一応言っとくけど、ちゃんと社内で貰ってるからね？』

「モテ自慢してくるけど、彼女できてないなら意味ないじゃん」

『ぐはぁ、やめろや、』

翔太独特の笑いが見られるくらいってことは、まだ必要としてないってことなんだろうけど。

「まあ、そのときが来れば、いつでも相談乗ってあげるんだからね」

ドヤ顔で言う私に対して

『うるせぇ、

　お前は知らないだろうけど、俺には決まったヤツがいんだよ』

そう意外なことを言った。

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