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毎日つまらない。
そう感じる日々が続いていた。
別に日々が充実していないわけじゃない。
26歳にもなって仕事は落ち着いてきたし、
恋愛だってそこそこしてる。
今は相手いないけどね。
そこそこの収入があるから、生活に困ることもなければ、したいこと、欲しいもの、食べたいもの、いろんなものにお金を注ぎ込めるし、
何も不自由ないから、ほとんどの人にとっては、これって幸せなのかな。
でも、だからこそ、私にとっては低刺激だった。
いつもと変わらない時刻に退社して、
いつもと変わらない帰路について、
いつもと変わらないバーで呑む。
ただ一つ、いつもと違ってたのは、
今日はバーに騒がしい客が来てたこと。
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『俺かってな〜.....あいつのこと、好きやったのに.....』
ここら辺では珍しい、関西弁の男性。
マスターに項垂れてるよ、あれは。
話から、失恋したっぽい。
失恋ってつらいよね、
別れとか振られる瞬間って、この世の終わり、夢からの目覚めって感じで、
突然貴方がいない現実が突きつけられて、私の語彙力じゃ言い表せないけどとても悲しいよね、
そこだけは、あの甲高い男性の嘆きに同情できるよ。
私だって何度も失恋してるもん。
『まあまあ、康二くん、次あるからさ、』
『次っていつ来るんよっ、
俺はいつも、誰の本命にもなれへんねん......
好きな人の恋愛に協力したり、気付けば周りに好きな人奪われてたり、そんな役回りばっかや......』
『そんなに傷付いた康二くんなら、次こそ良い役回りが回ってくるはずだよ。
元気だしなって、』
そう言いながらラスティネイルを出すマスター。
粋な計らいするねぇ、マスター。
"あなたの苦しみを和らげる"
そんな意味だったっけ、ラスティネイルって。
ラスティネイルを口にする康二さんは涙を流していた。
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作者名：あやの | 作成日時：2021年7月7日 9時
