好きまで突っ走れ！-TH-

＃１ ページ1

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『、えっ、結婚……ですか？』









お父さんの口から発せられたその2文字は



驚く程に軽く、そして呆気なく放たれた。









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「Aには、△△という会社の社長の息子さんと


結婚してもらうことになったから。」









開いた口が塞がらないってこういう時に使うんだ。


たぶん。









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私の家は、そこそこ有名な会社を営んでいて、



私は見習いとして、お父さんの会社で社員として働いていた。



だから今まですごく厳しく育てられて、



産まれてから21年間、お父さんにタメ口でさえ話したことがない。









何でもかんでもお父さんの言う通りにしてきた。



それもこれも、大人になれば自由になると思っていたからだ。









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なのにまさか、結婚相手までお父さんに決められるなんて。









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「△△という会社は最先端を行くIT企業で、そんな会社がうちの事業を気に入ってくれたんだ。



この事業をぜひ一緒に成功させたいと言ってくれてな。企業連携することになったんだ。それで……」









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一体何を言っているんだこのジジイは。




結局は自分の地位が欲しかっただけだろうが。









「それで、その企業連携の条件が先方の息子さんとAを結婚させることでな。



もう婚姻届は向こうの息子さんに届いて、書いてもらっている状況だから。」









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……待てジジイこら。







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