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「Aさんは前の職場の上司でね」

「一寸待て」



太宰さんが話し始めてすぐ国木田さんが止めに入る。
太宰さんは「何なのさ」と口を尖らせたが此れは僕も国木田さんの意思に同意しかない。

…上司?え、?




「お前はこんな年下娘の部下だと云うのか?」

「勿論。」

「…どんだけ不出来だったんだ御前は。」



さらっと国木田さんが失礼な事を真顔で云うとそれを聞いていたAちゃんが「おもしろーい!」と笑い始める。

太宰さんも「国木田君冗談(ジョーク)云えたんだねえ」何て呑気に云っているけれど国木田さんはいたって真剣なのだ。



「太宰さん、国木田さんは真剣だと思います…」

「えぇ?そうなの国木田君」



「心外だなあ」と云う太宰さんだがその様子は傷付くどころか何処か面白そうだった。



「まぁ、無理もないよね。
私も最初は信じられなかったし…」

「何がですか?」

「だってAさんは__」



太宰さんが何かを云いかけた時、
奥の部屋である社長室の扉が徐に開き場が静まる。

云わずとも中から出てきたのは社長だった。



「何の騒ぎだ国木田」

「しゃ、社長!
これはですね太宰の莫迦が…」


今まで固まって居た国木田さんがこの場の状況を説明しようと慌てる中、
僕は改めて見る社長の威厳にとても緊張していた。

この状況どうするんだろう、とドキドキしているとAちゃんが僕達の間をすり抜けて社長の前に飛び出した。



「福沢だ〜!」

「あっAちゃん駄目だよ!」


僕はすぐ様Aちゃんを引き戻すが、社長は目を見開いて「御前は…」と小さく呟いた。

いや真逆…



「…川端か。」

「えへへ久しぶりだねえ!」

「社長その娘と知り合いなんですか!?」



声を荒げる国木田さんを他所にAちゃんは人懐っこい笑みで社長を見た。



「…社長室に来い」

「はーい!」



国木田さんの問いに答えないまま社長はAちゃんを連れて社長室に歩きだす。

そんな様子を見てハラハラしている国木田さんに太宰さんが呑気に「大丈夫だよ」と云った。



「彼女の目的は此処の社員になる事だからね」

「…尚更意味が分からん。
何より幼子に務まる仕事じゃないだろう。」





社長が許可する筈が無い、と云った国木田さんは
重い重い溜息を吐いた。







__Aちゃんが社員になったのはその数分後の出来事だった。

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ぽん酢(プロフ) - 凄い面白かったです!更新待ってます!! (2018年8月15日 22時) (レス) id: 294c8f425c (このIDを非表示/違反報告)
きらり(プロフ) - 最高です!続きがめちゃ気になります!頑張って下さい!応援しています! (2018年8月13日 13時) (レス) id: b31c3f6b99 (このIDを非表示/違反報告)
亜純(プロフ) - 最ッ高です! 更新頑張ってください!! (2018年8月13日 0時) (レス) id: 430739def7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 題名って「この素晴らしい世界に祝福を!」これ参考にしてます? (2018年8月12日 22時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
らつ - 初めて読みました!!最高です!更新楽しみにしてます! (2018年8月9日 18時) (レス) id: 84c9675812 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななな | 作成日時:2018年7月20日 22時

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