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「(…三つ巴はもう時期だな。)」
「あのぉ〜Aさん??」
芥川一行が去ってから数分後。
気を失った谷崎、ナオミ、敦を担ぐ太宰とヨコハマの街を歩いていると太宰が背後から話しかけて来た。
「んー?なーにー?」
「私1人じゃ重いんですけど…」
「A子供なんだよ!!
持てないよ〜!」
「あはは…デスヨネ。」
「懐かしのAさんの意地悪…」と呟く太宰に心の中で笑いながら、私は子供らしい笑みを浮かべて「だざい〜頑張って!!」なんて云って探偵社へと歩いていった。
*
「…ねえ国木田〜!
あそこのお部屋で何してるの??」
探偵社に着いて数分。
医務室の書かれた部屋から数人の叫び声が響く。
気の毒そうに顔を歪める国木田に聞けば
これは社員の1人、与謝野晶子の異能力らしい。
どうやら瀕死の状態から一度解体して治すらしいがその残虐さには流石の私でも引いてしまった。
「にしてもまさかあの芥川に遭遇するとは
小僧も初仕事早々、気の毒だな…」
「そうだねえ〜」
ソファに転がりながら呑気に返事をする太宰に
国木田はため息をつくが、
そんな太宰の上に乗っかりながら人形で遊ぶ私を見て「にしても…」と言葉を続けた。
「この娘、芥川に会って無傷で帰ってくるとは
一体どうなっているんだか…」
「Aさんだから当然の事なのだよ国木田くん。」
「…意味が分からん。」
そんなやり取りから数時間後のこと。
医務室で寝ていた敦の意識が戻ったと聞いて私が赴けば丁度与謝野と敦が会話をしていた。
足の再生能力を不思議がる与謝野に青ざめた顔をする敦に「敦〜!!」と声を掛けた。
「Aちゃん!良かった無事だったんだね」
「御前さんは社長の…」
与謝野は私をマジマジと見ると「本当に無傷だねェ…一度解体して調べたいもンだ」と云うので思わず身震いがする。
でも此奴の能力は貴重だからな…と思いさりげなく触れてから敦の方へと逃げた。
「あつしこわーい!」
「怖がってますよ…与謝野さん。」
「御前さんに随分と懐いてるねェ、」
微笑ましいよ、と云う与謝野は手を振って退出する。
彼女の後ろ姿を見て何処か思い詰める様に
表情を暗くする敦を見て私は「ねえ!」と云った。
「Aね!敦が居たから怪我してないよ!
ありがとうあつし!!」
「…Aちゃん、。」
敦は情けない程の涙を流した。
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ぽん酢(プロフ) - 凄い面白かったです!更新待ってます!! (2018年8月15日 22時) (レス) id: 294c8f425c (このIDを非表示/違反報告)
きらり(プロフ) - 最高です!続きがめちゃ気になります!頑張って下さい!応援しています! (2018年8月13日 13時) (レス) id: b31c3f6b99 (このIDを非表示/違反報告)
亜純(プロフ) - 最ッ高です! 更新頑張ってください!! (2018年8月13日 0時) (レス) id: 430739def7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 題名って「この素晴らしい世界に祝福を!」これ参考にしてます? (2018年8月12日 22時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
らつ - 初めて読みました!!最高です!更新楽しみにしてます! (2018年8月9日 18時) (レス) id: 84c9675812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななな | 作成日時:2018年7月20日 22時