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「ふむ、それでこの娘を連れて来たと云う訳か。」

「はい…交番に行こうとも考えたんですけど
僕一応指名手配されてますし…。」



あの後、Aちゃんを連れて探偵社に戻って来た僕は国木田さんに事情を説明した。
国木田さんも「ならば仕方ないな…」と納得してくれて、今は来客用の椅子に僕と並んで座っている。



「あら、可愛いお客様ですわね!
お名前はなんて云うのかしら?」

「あのねあのねAって云うの!」



いかにも子供が好きそうなナオミさんが
お茶とお菓子を出しながらAちゃんとお話をする中、僕は向かいの席に座った国木田さんに目線を移した。

国木田さんの手には紙とペンがあり、どうやら人探しを手伝ってくれる様だ。



「生憎あの変屈木はまた仕事をサボって外出中でな、今事務所に居るのは俺くらいだ。
…人探しは分野では無いが尽くしてみよう。」

「ありがとうございます…!」



頭を下げれば国木田さんは「偶にはこういうのも良いだろう」と云ってペンを握る。

僕は隣に座るAちゃんに再び視線を戻し、
あの難解な手掛かりを深掘りする事にした。



「えっと、Aちゃん。
探してる人は女の人?男の人?」

「おとこのひと!」

「他に特徴とかあるかな…?」

「えっとね、茶色いの!」


国木田さんの表情が曇る。
相変わらずの難易度の高さに僕も苦笑いするばかりで全くと云って人相も浮かんでこない。

…茶色はさっきも云ってたけど服装も系統がそうなのかな、?




「乱歩さんが居ればな…俺じゃまったく分からん」

「僕もなんですよね、探してる人は兄弟か父親でしょうか?」



「恐らく」と答える国木田さんも流石に少女相手には悪戦苦闘。
このままと云うのはとても拙い。
僕はめげずに質問を続けた。



「えっと…その人は兄弟とかお父さんなのかな?」

「ううん!」



…いよいよ迷宮入りに近づいてきた。と溜息を漏らした時、

勢いよく探偵社の扉が開かれたかと思えば登場したのは鼻歌混じりに笑顔を見せる太宰さんだった。



「オイ!何処に行って居たんだ包帯無駄使い装置!!!」

「厭だな〜国木田くん、休憩だよ。」

「3時間の休憩などがあるか!!!」



国木田さんと太宰さんの言い合いが繰り広げられる中、そんな探偵社にAちゃんの「あ!!」と云う声が響いた。



「太宰見つけた!!」


「……ぇ、Aさん、?」







…は?

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ぽん酢(プロフ) - 凄い面白かったです!更新待ってます!! (2018年8月15日 22時) (レス) id: 294c8f425c (このIDを非表示/違反報告)
きらり(プロフ) - 最高です!続きがめちゃ気になります!頑張って下さい!応援しています! (2018年8月13日 13時) (レス) id: b31c3f6b99 (このIDを非表示/違反報告)
亜純(プロフ) - 最ッ高です! 更新頑張ってください!! (2018年8月13日 0時) (レス) id: 430739def7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 題名って「この素晴らしい世界に祝福を!」これ参考にしてます? (2018年8月12日 22時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
らつ - 初めて読みました!!最高です!更新楽しみにしてます! (2018年8月9日 18時) (レス) id: 84c9675812 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななな | 作成日時:2018年7月20日 22時

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