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中学一年 春
真新しい制服に身を包み、私は顔を上げた。
玄関のすぐ側にある背丈くらいの大きさの鏡にはまだ少し大きい制服を着た見慣れない自分が居た。
お母さんが死んでからもうすぐ一年。
あれから色々あったけど今は落ち着いた生活を送ることができている。
こうして苦労せずに生活が送れているのは紛れも無くヒーローであるお父さんのお陰だった。
私とお父さんの距離は前とあまり変わっていない。
強いて変わったと言えばお父さんから偶にメールが届くくらい。
「行ってきます」
誰も居ない家から出て桜道を歩く。
お母さんもお父さんも居ない家はとても寂しくて慣れない頃は静かに泣いて居たこともあった。
…今はもう慣れた方だけど。
「パパ！ママ！似合う？？」
「おーよく似合ってるぞ！」
桜道を歩いていると段々と親子の姿が増えてくる。
今日は中学の入学式だから当たり前か、と
他人事のように見ていると制服のポケットに忍ばせていたスマホが音を立てた。
マナーモードにするのを忘れてたと思いつつ画面を覗けばそれは意外な人物からの電話だった。
「…お、お父さん？」
『おう、おはよう』
聞こえてきたのはぶっきらぼうだけど確かにお父さんの声。
もうすぐ大きなイベントが日本で開催するからかヒーローは忙しい様で久しぶりに聞いたお父さんの声だった。
声色的に少し眠そうで疲れてるはずなのにどうしたんだろうと首を傾げた。
「なんかあった…？」
『……今日、入学式だろ中学の。』
「う、うん。」
『……行けなくてごめんな』
「っ」
予想外の言葉に思わず言葉が詰まる。
そもそもお父さんが今日入学式だとを知っていたことが驚きだけど。
慌てて「大丈夫だよ」と言えばお父さんは『…大きくなったな』と言って電話を切った。
「……、」
お父さんももしかしたら距離縮めようとしてくれてるのかな。
…そうだったら少し、嬉しい。
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とた - 爆豪君がめちゃくちゃ理想のパパで、読む度にしんどいです߹𖥦߹ 大好きです……！！更新お待ちしています！！ (2021年10月26日 23時) (
レス) @page19 id: c64444001a (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - すごく面白いです。更新待っています (2021年5月30日 12時) (レス) id: bd6a8b3525 (このIDを非表示/違反報告)
とあ(プロフ) - かっちゃんパパめちゃ好きです！更新楽しみにしてます〜 (2018年6月6日 21時) (レス) id: b37c094aac (このIDを非表示/違反報告)
milk - かっちゃんのお父さん姿が理想過ぎて殺られました...(/_;)/~~大好きです!!!更新楽しみにしてます!!! (2018年5月31日 18時) (レス) id: 2e49390f17 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 読む度にかっちゃんの父親感に感動して泣きそうです… (2018年5月29日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななな | 作成日時：2018年5月25日 18時
