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中学3年 夏
「進路決まってないやつは早く決めろよ〜」
蝉の声が遠くで鳴り響き、熱を帯びた風が微かに頰を掠める。
担任の気怠げな声に耳を傾けつつ私は進路希望調査の紙とにらめっこしていた。
「A、もう決まった?」
「うーん…まだ迷い中」
前に座る友人に苦笑いを浮かべればだよねと返ってきたので友人も決まっていない様だった。
中学3年、となれば勿論進路は必要不可欠。
将来を見定めた進路を決めなきゃいけないのはなかなか苦痛だった。
と言っても、周りの人達は大体ヒーロー科の高校を目指しているのだけれど。
「Aはヒーロー科にしないの?」
「まだ分かんない…個人的にもやりたい事は特に無いし。」
私がシャーペンを弄りながら言えば友人は「もっないない」と言った。
「Aの個性と学力なら雄英行けるのに」
「雄英ねえ…」
雄英といえばお父さんの出身校。
ヒーロー科の最頂点とも言える高校に通うなんてあまり想像ができなかった。
何事にもきっかけが無いと重大な選択はできないもの。
私はため息をついてプリントの提出締切日…7月12日を淡々と見つめた。
__今から一週間後だ。
◯
時は進み提出締切が明日に迫った今日。
私は担任に急かされながらも結局進路を決めることができなくて今に至る。
今は放課後。
部活をしていない私は進路のことで悩みながら帰路である街中を歩いていた。
「どーしよう、」
ぽつりと呟いた矢先、
目線の先には横断歩道を渡ろうとする女の子が映った。
それだけならいいが、在ろう事か女の子の数メートル後ろには大型トラックが迫っていて思わず私の顔が強張った。
「__危ないっ!!!」
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とた - 爆豪君がめちゃくちゃ理想のパパで、読む度にしんどいです߹𖥦߹ 大好きです……!!更新お待ちしています!! (2021年10月26日 23時) (レス) @page19 id: c64444001a (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - すごく面白いです。更新待っています (2021年5月30日 12時) (レス) id: bd6a8b3525 (このIDを非表示/違反報告)
とあ(プロフ) - かっちゃんパパめちゃ好きです!更新楽しみにしてます〜 (2018年6月6日 21時) (レス) id: b37c094aac (このIDを非表示/違反報告)
milk - かっちゃんのお父さん姿が理想過ぎて殺られました...(/_;)/~~大好きです!!!更新楽しみにしてます!!! (2018年5月31日 18時) (レス) id: 2e49390f17 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 読む度にかっちゃんの父親感に感動して泣きそうです… (2018年5月29日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななな | 作成日時:2018年5月25日 18時