プロローグ ページ1
．
私の記憶の中のお父さんは
いつも退屈そうな顔をしていた。
そもそもあまりお父さんと関わっていないのが原因だと思うけどそれは仕方ない事だった。
＿＿だってお父さんは"プロヒーロー"だから。
テレビで見かける事は多くても
実際家で会うことは極めて少なく、言葉を交わすのも一言二言。
周りの友達が家族でお出かけしたと言う話も
私には想像できないことだった。
これからもお父さんと私はそんな関係なんだろうな、と。
幼いながらに私は思っていた。
でもお母さんが居るから大丈夫だと思っていた私は半ば他人事のようにお父さんとの微妙な距離を保って過ごしていた。
お母さんさえ居れば寂しくない。
お父さんと違って私と沢山お喋りしてくれて
いつも笑顔で美味しいご飯を作ってくれるお母さん。
ずっと私の側に居てくれる、そう思っていた。
＿＿お母さんが事故で死ぬまでは。
。
原因は相手の飲酒運転。
お母さんは歩道に居る所をいきなり突っ込んできた車に轢かれた。
学校で授業を受けている最中に先生が血相を変えて私に病院に行くようにと言った時は何が起きたか分からなかった。
「お母さん、！」
私が駆けつけた頃にはもうお医者さんが手を尽くしきった後だった。
沢山の管に繋がれたお母さんは目を閉じたまま開かない。
私は何度も呼んだけど反応する事は無くて、私は只々その場に佇むことしかできなかった。
憐れみの目で看護師さんやお医者さんは私のことを見て慰めた。
＿結局お父さんが病院に駆けつけたのはお母さんが息を引き取ってから数分後で。
事故当時お父さんは仕事中で一際デカイ敵と戦っていたから仕方なかった。
…仕方なかった、けど。
何故か落ち着いた様子でお医者さんと話すお父さんを私は淡々と見つめていた。
話が落ち着いたのはお母さんが死んでから何時間も後のことで、看護師さんと別室で待っていた私をお父さんが迎えに来たのはもう日が落ちた頃。
「今は落ち着いてるみたいです」
「…ありがとうございます」
視界の隅でお父さんが私の元へ来て
ぎこちなくその大きな手で私の頭を撫でた。
それは小6の頃の出来事で、
お父さんとの二人暮らしはそこから始まった。
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とた - 爆豪君がめちゃくちゃ理想のパパで、読む度にしんどいです߹𖥦߹ 大好きです……！！更新お待ちしています！！ (2021年10月26日 23時) (
レス) @page19 id: c64444001a (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - すごく面白いです。更新待っています (2021年5月30日 12時) (レス) id: bd6a8b3525 (このIDを非表示/違反報告)
とあ(プロフ) - かっちゃんパパめちゃ好きです！更新楽しみにしてます〜 (2018年6月6日 21時) (レス) id: b37c094aac (このIDを非表示/違反報告)
milk - かっちゃんのお父さん姿が理想過ぎて殺られました...(/_;)/~~大好きです!!!更新楽しみにしてます!!! (2018年5月31日 18時) (レス) id: 2e49390f17 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 読む度にかっちゃんの父親感に感動して泣きそうです… (2018年5月29日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななな | 作成日時：2018年5月25日 18時
