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「な、なんだよ…!」

「…」




思ったより低い声が出た。

でもそんな事より目の前のこの人がとても憎たらしく感じた私は静かに本を閉じて腰を上げた。



愛 さ れ て い な い 、 ?



確かに私は他の家庭より愛情を貰ってないのかもしれない。
それでもお母さんは私を愛してくれていたし、
お父さんはお父さんなりに頑張って私を見てくれている。


嘘つきと言われた挙句にそんな2人を一度に馬鹿にされて、私が不快に思わない筈が無かった。



「はぁ…どいて気分悪い。」

「はっ、んだよ何もしてこねえチキンかよ」


個性使ってこいよ、なんて言う男子を横目に私はドアに手をかけた。

今すぐあの言葉を撤回させてやりたい気分だったけど今ここで問題を起こしてもお父さんの顔に泥を塗るだけ。

そもそも嫌な人には構う派ではなく無視する派なので私は教室から出て保健室で暇潰そうと思った。



「フン、そもそも爆心地の子供ならめっちゃ強い個性使える筈だしやっぱ嘘だな!!」

「おい、やめろって」



ようやく場を理解した別の男子がソイツを牽制するもソイツは引き下がる気は無い様子。
それどころか今日室外に行こうとする私を負け犬と称し、調子よく煽ってきた。

牽制している男子は小学生の時に公園でやった"個性勝負"に私に完敗しているせいか冷や汗を垂らしていた。





「それともあれか〜!爆心地から引き継いだ個性はクソザコ個性だから恥ずかしくて出せないとかか⁉」



ぴたり、と私の動きが止まる。

遠回しだけどお父さんを馬鹿にしたその言葉はすとん、と私の心に堕ちた。




公共の場で人に危害を与える目的のために
個性を使用することは固く禁じられている。

それはもちろん学校も対象で校則にも書かれている基本的なこと。





「じゃあ俺の個性の方が強いな〜!
自称爆心地の娘、成敗してやるよ。」



"俺ヒーロー志望なんだよねえ、
嘘つきを懲らしめるのもヒーローの仕事だろ"





戯論とも言えるそんな言葉と共に
その男子は私に向かって個性である"風"を出した。

鋭い空気が私の頰を掠めて鮮血が僅かに舞った。

3→←◯1



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とた - 爆豪君がめちゃくちゃ理想のパパで、読む度にしんどいです‎߹𖥦߹ 大好きです……!!更新お待ちしています!! (2021年10月26日 23時) (レス) @page19 id: c64444001a (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - すごく面白いです。更新待っています (2021年5月30日 12時) (レス) id: bd6a8b3525 (このIDを非表示/違反報告)
とあ(プロフ) - かっちゃんパパめちゃ好きです!更新楽しみにしてます〜 (2018年6月6日 21時) (レス) id: b37c094aac (このIDを非表示/違反報告)
milk - かっちゃんのお父さん姿が理想過ぎて殺られました...(/_;)/~~大好きです!!!更新楽しみにしてます!!! (2018年5月31日 18時) (レス) id: 2e49390f17 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 読む度にかっちゃんの父親感に感動して泣きそうです… (2018年5月29日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななな | 作成日時:2018年5月25日 18時

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