ごめんなさい、晴明 ページ14
※保憲視点
その時、私は真っ黒な世界にいた。何もない世界にひとりでいるなんてちょっと怖い。
「…ここは……どこ?」
私は歩いた。どこにも行き先はないのに。でも、歩かないと危険だと思ったのだ。
急に目の前が明るくなった。
「⁉」
その眩しさに、私の記憶はそこで途切れた。
…それはまるで、菅原道真の雷のようだった。
「…まだ保憲は目覚めないのか?」
「うん。」
博雅と晴明の声が聞こえた。
あぁ、私は寝ているのか。
起きたいけれど、体が重い。
金縛りにでもあっているかのように。
でも、目を開けようと思えば開けられた。
「晴明……?」
「保憲‼」
急に晴明が飛び付いてきた。温かい。晴明のぬくもりがこんなに伝わったのは初めてだ。
「保憲、大丈夫なの?」
「はい!寝たらすっきりしました!」
嘘つけ。と思った。まだもやもやが残っているのに。
「じゃあ、急で申し訳ないが準備してくれ。冥界へ行くから」
「え、冥界へ?…あ、何でもないです。」
晴明達は、冥界へ行くらしい。私の父のために。
ごめんなさい、晴明。
こんな私を許してください。
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安倍晴明
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作者名:なにガワ(元なにぬねNO) x他3人 | 作成日時:2017年12月21日 19時