後輩くんの誕生日【 ym × in 】 ページ6
side ym
日付も超えそうな時間。
仕事で少し遅くなってしまって、先に帰ってるであろう伊野尾ちゃんはもう寝てしまったかなとできるだけ音を立てないように帰宅する。
ym「ただいま〜…」
靴を脱ぎながらリビングに灯がついてることに気づいて、急いで向かう。
ym「伊野尾ちゃん、まだ起きてたの？」
in「あ、やまだおかえり。うん、ちょっとね」
そう言ってなにやら真剣にスマホに向かう伊野尾ちゃん。
あーでもない、こーでもない、時間が〜！って言いながら何かを打ち込んでるみたい。
ym「なにやってんの？」
in「メール考えてんの。明日ってか、もうちょっとで神宮寺くんの誕生日なんだよね」
ああ、ドラマ一緒にやってから仲良しの神宮寺くんねぇ……
ym「そんな考えることある？誕生日おめでとうで良くない？」
in「えー！だってじんじんプレゼントもくれたんだよ？あと、先輩として尊敬されたい」
誕生日を祝うメールでどうやって尊敬されるんだ、なんて言ってもこのスマホとのにらめっこは終わらないだろうな。
俺帰ってきてるんだけど。
起きてるんならイチャイチャしたいんですけど。
そんな俺の気持ちには微塵も気づく気配なくできた！と言って0時になるのを待ってる俺の可愛い恋人さん。
俺がゲームやってる間の伊野尾ちゃんはこんな気持ちなのかとちょっと反省。
でも、俺にも0時ぴったりになんてメールくれたことないのに、今度会ったら文句言ってやろうかな…
in「あと1分！うわ、なんか緊張してきた。…もうちょっと……送信！…んんっ！？」
0時ちょうど。
一仕事終えた彼の唇に俺の我慢の限界を訴えるキスをする。
in「…ん、ﾊｧ、…なに、急に」
怒ったような声とは裏腹に、顔を真っ赤にして少し期待するような目をこちらに向ける伊野尾ちゃん。
ym「日付変わるまで待ってあげたんだから、俺に構ってよ」
in「…やだ」
ym「へ？」
予想外の返事にそのままソファに押し倒そうとしていた俺は中途半端な体制で固まる。
in「ここじゃやだ。だから、ベッド行こ…？」
俯いて俺の服の裾を掴み、髪から覗かせる耳は真っ赤。
ym「なにそれ、可愛すぎるんですけど」
可愛い恋人を抱き上げ、自分で歩けるだなんて喚くのを無視してまっすぐベッドへと向かった。
こんな可愛い恋人が見れたんだから、しばらく伊野尾ちゃんを独占していた後輩くんのことは許してあげようかな。
Fin.
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：紅藍 | 作成日時：2021年9月27日 1時
