【刀剣乱舞】トリップした (ページ3)

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トリップ2 ページ3

今日はテストの日だったはずだ。
偏差値52の普通の高校に入った私はその中でずば抜けて頭がよかった。
なぜかって？？？そりゃあ、てめぇ
赤点なんてとってみろ。その日には私の持っている漫画が一瞬にして燃やされるわ。
持っているアニメグッズも一瞬でトイレに流されるわ。
こちとら死ぬ気で勉強しとんのだぞ。

そんな思いを胸に私は自転車を漕いでいた。
高校まであと10分。くそなげぇ坂をひたすら漕がないといけない。

あれ……でも私なんでトリップ……

「あー！？！？私マンションの下通りかかった時に上からでっかい植木鉢落ちてきてそれ頭に当たったわ！！！！」

と、大声をあげれば目の前に座る女審神者さんがビクッと体を震わせた。

「じゃ、じゃあ……あなたは幽霊……？」

オドオドしながら訊く審神者さんが可愛くて思わずにやけるが、涎がたれそうなので真顔を保つ。

「幽霊……どうなんだろ、私死んだのかな」

自分の手を開いたり閉じたりし、首に手を当てるが普通に温かいし、普通に足が二本ある。
ここで足が無かったら確実に私は奇声を発し、そのままトイレに流されていただろう。

「何かのバグによってあなたはここに来た……ということでしょうか……？」

バグ。
一言で済ませてもいいのだろうか。
私は数年憧れていた2次元に来たのだ。
それがバグ？……いいや、違う。

「バグじゃないです。神様からの主命ですね、これ。はい。」

なんてイタイことを言うと私の横、2m離れたところに座るへし切長谷部が立ち上がった。
顔を見ると明らかに一目で“怒っている”というのが分かる。

生へし切長谷部の怒り顔、いただきました。

「お前、さっきからなにを分からないことばっかり言っている！！」

と、怒鳴られる。
普通ならば知らない人に怒鳴られたら『あ、すいますぇん』とテンションが下がり、『興ざめしたじゃねぇかよてめぇ』と心の中で怒りの声を叫ぶのだが、へし切長谷部に怒鳴られてみろ。

幸せすぎて死ねるわ。
まって？へし切長谷部雄っぱいすぎない？気のせい？？？まって？ジャージ似合いすぎ。あ、これ……

「へしかわ……かわいい……」
「は？」

何を言っているんだお前はと言われ、完全に引いた顔で私から離れる。