記憶その56 ページ9
『お父様が死………』
すべてを理解しかけたその時
何か重いものが私の上にのしかかる
眩む視界に映るのはバルトの隣にいたアランと言う男だった
『あ"っ！くっそ…………離せやっ！！』
ここでアランという男が初めて口を開く
ar「おいおいおいおい、何逃げてんだぁ？
抵抗しても無駄だぜぇ。折角バルト様が魔力も無い無能なお前を貰ってやるって言ってんだ。
無能は無能らしく従っておけばいいんだよ！」
言い終わると同時に強く腹を殴られる
『う"っっ』
的確な溝落ちに思わず意識が遠のく
"無能"
何故か今まで聞かないふりをしていたその言葉が重くのしかかる
開きっぱなしの扉から先程よりも余裕のない表情をしたバルトが入っくる
br「アラン、無能でも一応ここの皇女様なんだあまり傷つけてはいけないよ」
アランは「はーい」とあからさまにへこんだ様子を見せる
私はアランの下でジタバタ暴れながらバルトを睨みつける
『貴様ぁっ！！お父様っ、お父様を！！』
涙は出ない
今はこいつを許せない気持ちでいっぱいだから
バルトは私に近づきグイッと顔を掴む
br「おや、今頃気づかれたのですか？
抵抗してきたので殺しましたよ。困りましたねぇ、陛下がいないと魔法が使えないじゃありませんか。どうやって私達を殺すんです？ねぇ、教えてくださいよ」
クソッ！こいつ何もできない私を見て愉悦に浸ってやがる
もっと私が魔力を持っていたら、私が皆みたいに強かったら、私が出来損ないじゃ無かったらっ！
こいつ等なんて……!
『絶対に、絶対にお前を許さない!!殺してやる！殺してやるっ！！』
ジタバタと暴れるも体はピクリとも動かない
すると城の何処かが崩れ落ちる音が城内に響き渡る
バルトは私の顔から手を離すと音がした方に視線を向ける
br「そろそろまずいな……。アランまだ暴れるようだから気絶させなさい。帰るぞ」
ar「はぁい」
『は、何をっ………ぐっっ！！』
突如体を仰向けにされもう一度お腹を強く殴られる
先程よりも強い力で今度は確実に意識が遠のく
こんな奴らに捕まるなんて
せめてこれだけわ……！
遠のいていく意識の中最後の力を振り絞り首にぶら下がっているロケットをちぎり何処かへと投げる
これからどうなるか分からないけど見つかればきっとあれは処分される
皆との、グルペッン達との思い出が詰まったロケット
これだけはこいつ等に奪われてなるもんか
br「何か投げたな……まあいい、行くぞアラン」
体が持ち上げられる感覚がしたのを最後に
私の意識は完全に途切れた
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ごまプリン(プロフ) - 紗由さん» はじめまして！ありがとうございます！作りたての時から書きたいなと思ってたので面白いと言っていただけて良かったです！次の過去編も楽しんでもらえるよう頑張ります！！ (2021年6月7日 22時) (
レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
紗由(プロフ) - はじめまして。こんにちは。夢主ちゃんの過去編面白かったです！学校で朝通知がきて放課後までずっと楽しみでした!tntnさんたちの過去編も楽しみにしてます！ (2021年6月7日 16時) (レス) id: 0ea605d8d3 (このIDを非表示/違反報告)
ごまプリン(プロフ) - CO2さん» ありがとうございます！大好きと言ってもらえてめっちゃ嬉しいです！！亀さん更新は中々直りませんが（泣）完結に向けて頑張ります！！ (2021年1月11日 14時) (レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
CO2(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品大好きなので、亀更新でも続きを書いてくださるだけで凄く嬉しいです！！これからもごまプリンさんのペースで無理なく更新していってください(o_ _)o (2021年1月11日 6時) (レス) id: 55ea3c243b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ごまプリン | 作成日時：2020年12月29日 2時
