記憶その53 ページ6
『貴様ぁっっ！！！殺すっ！！！！』
生まれて初めて芽ばえた感情を生まれて初めて口にした
私の中に目の前の男に対する純粋な怒りだけが黒く渦巻いている
息を荒くし睨みつける私の姿に目の前の男は心底愉快そうに笑う
br「おやおや、ダメですよ。この国の皇女とあろうお人がそんな汚い言葉を使ってわ。そんなに怖い顔をしてはせっかく美しいお顔が台無しだ。」
『黙れ！！』
「それに」
br「それに魔力のないそんな体で何が出来ると言うのです？」
瞬間息が止まった
なんで……
『なんで、貴方がその事を……』
この事は王宮の者しか知らないはずなのになんで……
br「おや、驚きました？なんで私がその事を知っているのか………なんでだと思います？」
この状況を楽しんでいるかのようにバルトは笑みを溢す
私の中にはある言葉が浮かんだ
『まさか、裏切り者がいたというの？でもそんな、ありえない……』
br「ありえるんですよ、それが。"出来損ない"の皇女様が次期皇帝になる事を不満に思ってる者が、私こそが次の皇帝に相応しいと情報を教えてくれていたんです。他にも2,3人程……どうです？信頼していた者に裏切られた気持ちわ」
私には魔力が無かった
本来皇族の血を継ぐ者が受け継ぐはずの魔力を私は持って生まれなかった
"出来損ないの皇女"それが私の影の呼び名だった
《聞いたか？皇女様魔力を持って無いらしいぞ》
《そんなの皇族と呼べるのか？象徴の白い髪だけ受け継いで、ただの生まれ損ないじゃないか。早い内に殺して次を産んだほうが国のためだ》
《それが産まれないらしいのよ。魔力も無い、それに女が次の皇帝だなんて最悪だわ。それとあの赤い目、化物みたいで気持ち悪いったらしょうがない。きっと呪われてるんだわ》
《陛下も陛下だ。魔力の無い皇女なんか擁護してないで次の後継者を探して養子に迎えればいいのに。全く何を考えておられるのだ》
《護衛の子二人も可哀相だわ。出来損ないに使えさせられてるなんて。きっと辛い思いをしてるはずよ》
小さい頃、ショッピとチーノと廊下を歩いているときに聞こえてしまった話
なんで今思い出すかなあ
別にそんな事言われても気にして無かったのに
いや、本当は気にしてた傷ついた
気にしない、傷ついてないふりしてただけ
そっちの方が楽だから
もう忘れていたはずの過去を思い出し自傷に近い笑みを溢す
そんな私を見たバルトは口角を上げ一歩近づきこう言った
br「A様、私と一緒に来ませんか」
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ごまプリン(プロフ) - 紗由さん» はじめまして！ありがとうございます！作りたての時から書きたいなと思ってたので面白いと言っていただけて良かったです！次の過去編も楽しんでもらえるよう頑張ります！！ (2021年6月7日 22時) (
レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
紗由(プロフ) - はじめまして。こんにちは。夢主ちゃんの過去編面白かったです！学校で朝通知がきて放課後までずっと楽しみでした!tntnさんたちの過去編も楽しみにしてます！ (2021年6月7日 16時) (レス) id: 0ea605d8d3 (このIDを非表示/違反報告)
ごまプリン(プロフ) - CO2さん» ありがとうございます！大好きと言ってもらえてめっちゃ嬉しいです！！亀さん更新は中々直りませんが（泣）完結に向けて頑張ります！！ (2021年1月11日 14時) (レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
CO2(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品大好きなので、亀更新でも続きを書いてくださるだけで凄く嬉しいです！！これからもごまプリンさんのペースで無理なく更新していってください(o_ _)o (2021年1月11日 6時) (レス) id: 55ea3c243b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ごまプリン | 作成日時：2020年12月29日 2時
