記憶その59 ページ13
『そうね、ガトラン国に行くのも悪くないわね』
そう私が呟くとバルトは上がっていた口角を更に上げる
br「では一緒に来t」
『とでも言うと思った？私はアンタの所になんて絶っっっ対に行かないわ』
バルトの眉間が少し動く
『こっちに来れば私を蔑む者がいなくなる？それが何よ、他の貴族達に罵られる事よりアンタの所に行く方がよっぽど不快だわ。甘い言葉でも囁いてれば寝返るとでも思った？だとしたらアンタ相当頭が弱いのね。そんな嘘だらけの甘い言葉に縋りつく程私弱くないわ。お父様の事だって信じてる。思い通りにいかなくて残念だったわね、一旦お家に帰って出直してきたら？』
グルッペン達との言い争いで自然と身についた煽り言葉を言い放つ
声が震えそうになるのを無視して
思いつく限りの言葉をポンポンと並べる
バルトは笑顔のまま固まっていて額には薄っすらと血筋が浮かび上がっている
キレてるの丸分かりだっつーの
『あ、それと次家族を馬鹿にするような事言ってみなさい、私がただじゃおかっ…ﾝﾌﾞ！』
言葉を言い終わる前に、これでもかと目を吊り上げ血相を変えたアランが私の口を掴む
ar「このアマぁ！！バルト様が何もしねぇからって調子乗りやがって！！もう我慢ならねぇ、殺す！！」
そう言ってアランは何処からか出したナイフを私に向かって振り上げる
あ、死ぬ
そう思い降ってくるナイフを眺めているとピタッとその動きが止まる
横を見るとバルトが黒い笑みを浮かべアランの腕を掴んでいた
br「アランこれ以上俺を怒らせないでくれ。
この女は絶対殺すなと言う約束もう忘れたのか？」
体全体に悪寒が走る
アランにも伝わっているのか腕がカタカタと震えていた
それに一人称が俺に変わった
相当怒ってる
ar「ご、ごめんなさい！！次はちゃんと守るからっ！役に立つからっ！す、捨てないで！！」
br「いちいち泣き喚くな。いいからアレを持ってこい」
ar「！、わ、分かった！」
アランは今にも倒れそうな勢いで走り出し何かを取りに行く
何？アレって
バルトに視線を戻そうとした途端右頬に衝撃が走る
『っ！』
ちょっとほっぺた叩き好きじゃない？！
腫れたらどうしてくれんのよ
緊張感が流れる空間でそんな呑気なことを口にしようとするともう一方の頬も同様に叩かれる
『アンタ……』
睨みつけるとバルトはわざとらしい笑み浮かべる
br「これは失礼、手が滑りました。それより皇族と言うものはやはり手強い。中々思い通りにいかないものですね。これ以上何を言っても聞かなそうなので貴方には記憶を失って貰う必要がある。」
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ごまプリン(プロフ) - 紗由さん» はじめまして！ありがとうございます！作りたての時から書きたいなと思ってたので面白いと言っていただけて良かったです！次の過去編も楽しんでもらえるよう頑張ります！！ (2021年6月7日 22時) (
レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
紗由(プロフ) - はじめまして。こんにちは。夢主ちゃんの過去編面白かったです！学校で朝通知がきて放課後までずっと楽しみでした!tntnさんたちの過去編も楽しみにしてます！ (2021年6月7日 16時) (レス) id: 0ea605d8d3 (このIDを非表示/違反報告)
ごまプリン(プロフ) - CO2さん» ありがとうございます！大好きと言ってもらえてめっちゃ嬉しいです！！亀さん更新は中々直りませんが（泣）完結に向けて頑張ります！！ (2021年1月11日 14時) (レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
CO2(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品大好きなので、亀更新でも続きを書いてくださるだけで凄く嬉しいです！！これからもごまプリンさんのペースで無理なく更新していってください(o_ _)o (2021年1月11日 6時) (レス) id: 55ea3c243b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ごまプリン | 作成日時：2020年12月29日 2時
