記憶その61 ページ15
『わ、私を……私を殺しなさいよ……!』
声はうわずり涙で濡れたボロボロの顔で睨みつ
ける
苛ついた様子でバルトは私の頬をわし掴む
br「ちゃんと話聞いてたか？記憶を失くすか、部下を見殺しにするかのどっちかなんだよ。優しい口調で話してれば調子に乗りやがって、どうせお前は何もできないんだから大人しく従っておけばいいんだ。これ以上苛つかせないでくれ、うっかり殺してしまいそうだ」
何もできない無力さに涙が止まらない
そう私は弱い
ただそれがバレないように強がってただけ
ar「バルト様！持ってきたよ！」
途端、アランが勢い良く扉を開け顔を伺うように液体の入った小瓶をバルトに差し出す
バルトは先程まで険しかった顔を笑みに変える
br「ふぅー、少し取り乱しました。これがその薬になります。勿論飲んでくれますよね？飲まないと大切な人達がまた死んじゃうんですもんね？」
『あ、ああ……！嫌ぁっ……私……ごめんなさいっ、ごめんなさいっ……！』
情けない声を上げ地面に崩れ落ちる
コイツに謝ってるんじゃないダメな私のせいで命を落とした人達に、巻き込んでしまったグルッペン達に向けての謝罪
そんな私を見てバルトは歓喜の声をあげる
br「その顔！！その顔が見たかったんだ！！
平和ボケしてるその顔が絶望に歪むのを！ああ！！素晴らしい……もっと私に見せてください」
バルトは私の髪の毛を引っ張り上げ歪んだ笑顔を見せる
気持ち悪い、怖い、殺したい、逃げたい
殺意、憎悪、恐怖いろんな感情が入り混じる
結局私には何もなかった
"出来損ない"
貴族達の言ってた事は何一つ間違ってない
皇女っていう肩書だけ持った正真正銘の出来損ない
あーあ、意地張っちゃってバカみたい
さっさと素直に認めて無駄な努力なんてしなければ良かったのに
みんなじゃなくて私が死ねば良かったのに
お父様だって私の事なんか見捨ててしまえば良かったのに
何で私は魔法が使えないの？
何で私は………
syp【魔法？
別にそんなん使えんくたってAちゃんはAちゃんやろ】
cn【そうだそうだ！】
tn【何を心配しとるか知らんけど、そんなの使えんくたって俺達がAの側を離れたりはせぇへんよ】
gr【この世は魔法が全てなのか？Aは勉強はできるし、ダンスも上手いし、甘い物に合う紅茶を入れるのも上手い。
そんなもの使えなくたって他の事で馬鹿な貴族たちを見返してやればいい】
『あっ………』
もう少しで何かに呑まれそうな時
ふと皆の言葉が頭を過る
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ごまプリン(プロフ) - 紗由さん» はじめまして！ありがとうございます！作りたての時から書きたいなと思ってたので面白いと言っていただけて良かったです！次の過去編も楽しんでもらえるよう頑張ります！！ (2021年6月7日 22時) (
レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
紗由(プロフ) - はじめまして。こんにちは。夢主ちゃんの過去編面白かったです！学校で朝通知がきて放課後までずっと楽しみでした!tntnさんたちの過去編も楽しみにしてます！ (2021年6月7日 16時) (レス) id: 0ea605d8d3 (このIDを非表示/違反報告)
ごまプリン(プロフ) - CO2さん» ありがとうございます！大好きと言ってもらえてめっちゃ嬉しいです！！亀さん更新は中々直りませんが（泣）完結に向けて頑張ります！！ (2021年1月11日 14時) (レス) id: 6ebd880c68 (このIDを非表示/違反報告)
CO2(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品大好きなので、亀更新でも続きを書いてくださるだけで凄く嬉しいです！！これからもごまプリンさんのペースで無理なく更新していってください(o_ _)o (2021年1月11日 6時) (レス) id: 55ea3c243b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ごまプリン | 作成日時：2020年12月29日 2時
