まどろみのなかで ページ24
とにかく、俺の亮平のお陰で、熱を出して寝込んでいる日も、寂しくなかった。
「そろそろ終わるね、次の巻にする？」
「ごほっ、んん……どうしよ、亮平みたいのでいいよ」
「んじゃこれ、『アイマス』」
「……それ俺がみたいやつじゃん、そうじゃなくて、りょーへーが昨日借りてきたやつ……」
「え、俺の見たいやつじゃダメなの？ 俺今、これみたいんだけど」
「むむむ……」
あれ、もしかして佐久間さん、いまめちゃくちゃ甘やかされてる？と若干の焦りが滲んだ。亮平はいつもこうだ、あくまで自分主義スタンスに見せかけて、弱った俺に甘えさせてくれる。亮平の前で、スルースキルは通用しない。
エンディングが終わったのを見計らって、次のDVDを入れようとした頃……丁度、音がクリヤに聞こえる瞬間、けたたましい音が鳴った。銅鑼を思いっきり叩いたような、そんな音。別名、鍋蓋を落とした音。
「ほへ、なんの音だろ、ね、亮平」
半分起き上がって亮平に視線を向けると、亮平は別になんでもないみたいに、DVDを入れていた。
「ねえ亮平、亮平げほっ……ってばぁ」
「え、なに？ なんか鍋でも落としたんじゃない？」
「そうかもしれないけどさ、ラウ、大きい音にびっくりしてないかな、まだ初日だし」
「大丈夫でしょ、あっちには辰哉も、涼太も翔太も、照もいるんだから」
「でもでも、ラウになんかあったんだったら、俺も傍にいてやりた……」
「あーもうっ！！！！」
急に、亮平が苛立った声を上げるから俺がびっくりして肩をあげた。普段、亮平が声を荒げることなんて滅多にない。
「佐久間が今やることは、自分の身体を休ませて、早くラウールに元気なとこみせることじゃないの？ ずっと弱ってばっかの次男なんか、かっこ悪いよ」
「そ、そうかもだけど、でもさ」
そこで、亮平は振り返った。……え、と思わず目を瞬かせる。亮平の顔は真っ赤だった。
「わっかんないかなぁ……つまりさぁ……」
視線を彷徨わせながら、亮平は俺を布団に押し戻した。押し戻す、って言っても、すっごい優しい手で。
「……今は、新しい子の心配ばっかじゃなくてさぁ、自分の心配してよ…………あ、……あ、と」
「あと？」
「……………………………今は、俺だけの、大介でいてよ」
「…………………………ふえい？」
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リムる(プロフ) - 千晴さん» ありがとうございます！何度も読めるなんて寧ろラッキーって感じです！いつも素敵なお話で何度も読み返してます。無理のない範囲で頑張って下さい！ (2020年8月9日 19時) (
レス) id: b5e023cd9b (このIDを非表示/違反報告)
千晴(プロフ) - リムるさん» リクエストありがとうございます！本編中にも似たようなお話が登場してしまうのですが、内容が多少被っていても大丈夫でしょうか、レパートリィ少ない作者ですみません！ (2020年8月5日 21時) (レス) id: 36259cee76 (このIDを非表示/違反報告)
千晴(プロフ) - 柿ちゃんさん» リクエストありがとうございます！無理しちゃう健気なskくんを一生懸命書かせていただきますので、少々お待ちください！ (2020年8月5日 21時) (レス) id: 36259cee76 (このIDを非表示/違反報告)
KUMA(プロフ) - 千晴さん» ありがとうございます！楽しみに待ってます！ (2020年8月5日 13時) (レス) id: 0b66efa19b (このIDを非表示/違反報告)
阿部月姫(ｶｸﾞﾔ)(プロフ) - 千晴さん» レスありがとうございます！ はい！大丈夫です！！ (2020年8月5日 13時) (レス) id: 2beffc3723 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千晴 | 作成日時：2020年7月24日 1時
