小さいお兄ちゃん ページ16
「蓮は康二にかなわねーよなー」
櫻井先生が、白い歯をみせて笑っている。
「あ、そうだ蓮、来週俺が一週間献立当番なんだけど、なんかリクエストあるか？」
「えぇぇぇらいしゅうさくらいせんせいなん？」
「なんだそれ！？ いくら俺でも傷つくぞ！？ 作るのは栄養士さんと作るし、実際作るのはパートのおばちゃんだ、安心しろ！！ パートのおばちゃん休みな日は、他の先生が作るし、俺はあくまで献立担当！！」
「……それ、自分で言ってて悲しくなんないんすか？」
「今更ですしぃもう傷つく時期はとっくにすぎてますのでぇ」
で？リクエストは？と優しい声。うーんと、暫く唸ってしまう。
「……特に、なにも」
「なぬ！？ それじゃあ康二は！？」
「おれも……べつに。おいしいごはんであれば、なんでもうれしいで！！」
「それじゃあ意味ねーんだよ！！ 俺らはお前ら二人を、特に蓮を！ ふとらせてーの！！！ 食べたことないものでもいいから、なんか考えとけよ！ あとこれは、ちゃんと自分のやりたいことを、相手に伝える練習でもあるんだから！！ もう一つは、お前らを甘やかすのが目的だ！！」
小難しい「理由」を重ねても、殆どの理由が最後に集約されていることぐらい知ってる。俺たちはそれくらい、誰かに何かを「頼む」ことが、極端に苦手だ。
「あまやかすいわれても、おれは、もうじゅうぶんよくしてもらっとるよ？」
「まだ足りねーよ全然……よし決めた、コンビニ寄ろう。そんで、なんか二人に好きなお菓子買ってやるよ、今日の検診頑張ったご褒美だ！」
「ほんま！？ んーごほうびなら、ちょっとほしいかもしれん……！」
「お、んじゃ、どこのコンビニがいい？」
……それに俺は、未だに……飯を食べるのが、怖い。
『ほら蓮……おいしいでしょう？ ねぇ？ 母さんの料理久しぶりだもん……おいしいよねぇ、もっと食べるのよ……好き嫌い、しないで』
「……っっつつつつつ！！！」
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リムる(プロフ) - 千晴さん» ありがとうございます！何度も読めるなんて寧ろラッキーって感じです！いつも素敵なお話で何度も読み返してます。無理のない範囲で頑張って下さい！ (2020年8月9日 19時) (
レス) id: b5e023cd9b (このIDを非表示/違反報告)
千晴(プロフ) - リムるさん» リクエストありがとうございます！本編中にも似たようなお話が登場してしまうのですが、内容が多少被っていても大丈夫でしょうか、レパートリィ少ない作者ですみません！ (2020年8月5日 21時) (レス) id: 36259cee76 (このIDを非表示/違反報告)
千晴(プロフ) - 柿ちゃんさん» リクエストありがとうございます！無理しちゃう健気なskくんを一生懸命書かせていただきますので、少々お待ちください！ (2020年8月5日 21時) (レス) id: 36259cee76 (このIDを非表示/違反報告)
KUMA(プロフ) - 千晴さん» ありがとうございます！楽しみに待ってます！ (2020年8月5日 13時) (レス) id: 0b66efa19b (このIDを非表示/違反報告)
阿部月姫(ｶｸﾞﾔ)(プロフ) - 千晴さん» レスありがとうございます！ はい！大丈夫です！！ (2020年8月5日 13時) (レス) id: 2beffc3723 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千晴 | 作成日時：2020年7月24日 1時
