old tale 001 ページ15
sideレイ
ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ
窓の外を見ると大粒の雨が窓を叩きつけている
こんな雨の日は昔を思い出す
あの日もこんな酷い嵐の日だった
雨が降り出したのは夕方からで、それまでは珍しく俺も鬼ごっこに参加していた
────────────────────────
今日は朝から少し熱っぽい気がする
喉が痛くて頭も少し痛い
だるいし、早くレイの膝で休みたいと思っていたのに
生憎今日は珍しくレイも鬼ごっこに参加するみたい
エマはアホ毛をぴょこぴょこさせて喜んでる
エマ「ハクも一緒に鬼ごっこやるでしょ？」
レイと話していたエマが私に向き直って首を傾げる
ここで私が断ってしまっては勘のいい3人だ、すぐに風邪気味なのがバレてしまう
「うん、やる」
今回はジャンケンに負けたレイが鬼だった
早めに見つかって木陰で休もう
レイ「じゃあ、1分数えるから」
レイが数を数え出すと今日こそ捕まらねー！と叫びながら走っていくドンの後に続いて他のみんなも走ってい行ってしまった
さて、どこに逃げたら捕まりやすいかな
5秒立ち尽くして私の中で出た結果は
レイ「いや、せめて逃げろよ」
レイが数を数えている木の裏側
さすがにダメか
具合でも悪いのかと言いながら頬に触れようとするレイを咄嗟に振り払って仕方が無いので私も森の中に入っていった
「せめて少し休めるところに」
森の中を歩いて数分、ちらほら兄弟たちの話し声がヒソヒソと聞こえる
「あからさまに見つかったら逆に疑われるか」
とりあえず頃合までやり過ごせる場所を探す。 探すと言っても行くところは決まってるんだけどね
このまままっすぐ進んで、途中で道をぬけたところに大きな木があって、大抵私はそこでやり過ごす
少し薄暗いし変なところにあるから小さい子達はまず近ずかない。
今のところ私とレイぐらいしか知らないかもしれない
「下はまずいかな」
木のでっぱりに足をかけて一番下の木の枝にすわる
木自体は大きいけど、横に広いだけで大して高さはない
実際私も枝から落ちたことがあるけどかすり傷ぐらいですんだ
少し離れたところから兄弟たちの騒ぎ声が聞こえてくる
さっきよりも悪化したのか頭が異常にガンガンしだした
(眠くなってきた)
次第に瞼が下がってくる
万が一落ちてもこの高さなら大丈夫だろう
足と足の間に顔を填め、抑えきれない睡魔に流されるように瞼を閉じた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玲於 | 作成日時：2020年5月19日 18時
