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｢焼きそばパン…まだあるかな？｣
咲｢うーん、見えない…。｣
急いで来たはいいものの、案の定行列で何があるのかが全然見えない
｢どうしよう売り切れてたら。この焼きそばパンで私の人生変わるのに…。｣
咲｢大袈裟だな〜(笑)｡大丈夫大丈夫！｣
咲月が励ましてくれる中、私の中には不安でいっぱいだった
少し売ってるものが見えるようになったくらいに、焼きそばパンが1つあるのを確認できた
｢ねぇ咲月！あったよ！｣
咲｢今のうちに取ってくれば？私待ってるから。｣
咲月に言われて取ろうとした瞬間、別の人の手が焼きそばパンに伸びて取られてしまった
その人を見たら、黒ちゃんとはまた違った不良だった
思わず｢ひっ…！｣という声を出してしまい、私に気づいたその人は少し無愛想な顔をしていた
湧｢ん、なに、これ欲しいの？｣
｢…あっ、でも欲しいなら全然譲るので！！いいですいいです！｣
湧｢ふーん…。｣
怒ってるかもと思ったのでもう諦めようと思い、譲ることにした
黒ちゃんには売り切れてたからって言ってなにか別のをあげよう、そう思ったとき
会計を済ませたと思われるさっきの人が私のとこにやってきた
湧｢これやる。｣
｢えっ！でも、もう会計済んでますよね！？受け取れないです！｣
湧｢いいから、受け取れ。｣
｢あっ、ちょっ…。｣
その人は焼きそばパンを無理やり押し付け、どこかに行ってしまった
咲｢A！大丈夫だった？｣
｢まぁ、うん。｣
咲｢何にもされてない？怪我してない？｣
｢えっ、なんでそんなに心配してるの？｣
咲｢えっ、知らないの？あの人超やばい不良で色んな人に暴力とか喧嘩とかしてる人だよ！キレやすい人らしいから話しかけたら一生の終わりって話だよ。｣
｢うそ！？｣
咲月に言われてさっきの会話が危なかったことに気づく
でも、全然怖くなかった気がする…気のせいかな？
｢って、早くしないと黒ちゃんに怒られるかも！｣
咲｢じゃあ私教室行くねー。｣
｢うん！あとでねー！｣
咲月と別れ、彼のいる屋上に急いだ
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作者名：いちごバナナ | 作成日時：2023年9月2日 16時
