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泣き止んだ後、私は気になったことを平塚くんに言った。
「…何で、助けてくれたの…?」
私はてっきり、平塚くんも美咲の話を信じていると思ってたから、助けられるなんて思ってもなかったのだ。
平「何でって……大切な友達だからだよ?」
「え…?」
平「まだちょこっとしか関わってないけど、Aちゃんっていい子なんだなって思ったの。優しいし、面白いし、本当は泣きたいはずなのに我慢してて、さっき泣いてくれて本当に安心したもん(笑)。」
「…………」
平「だから、石橋さんの話聞いても直感的に?嘘だな〜って思ったの。」
「…もし、その話が本当だったら…?」
平「え!?本当だったの?」
「あぁ、そうじゃなくて、この話本当だった時、平塚くんはどうしてたのかなっ…て。」
平「うーん……多分同じことするかな〜。」
「え?」
平「たとえ、Aちゃんがそういうことしたとしても、いじめられるのは違うと思うし、そもそもいじめるようなことする奴らと仲良くなりたくないし(笑)。」
嬉しかった。こんなにも私のこと庇ってくれる人がいて。その瞬間一瞬、心臓が揺れ動いた気がした。
そしてまた涙が溢れてきて、平塚くんに呆れられてしまった。
平「大丈夫だから(笑)。今約束してあげるよ、何があってもAちゃんの味方でいる!はい、小指出して!」
「子供じゃないんだからっ(笑)。」
平「いーからいーから!ん!」
無理やり平塚くんに小指を結ばされて上下に揺らされる。
呆れたフリしてたけど、本当は嬉しかった。
私の前にかかっていた黒いモヤが消えた瞬間だった。
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作者名:いちごバナナ | 作成日時:2023年3月2日 8時