好きでいたいのに…【Waku.M】 (ページ47)

今日:24 hit、昨日:14 hit、合計:63,243 hit

47 ページ47

黒｢……A…？あれ？みんないる。｣

目を覚ました黒ちゃんは今どういう状況なのか分かっていないようだった。

安｢…本当に…目覚ました…。｣

翔｢…っ良かったよぉ……｡｣

黒｢…えっ？なんでみんな泣いてっ…………待ってAここって…｡｣

｢……集中…治療室…だけど…。｣

黒｢……………そっか、俺死ぬのか………｡｣

｢えっ、何言って…黒｢だって、おかしいじゃん。普通集中治療室にみんなは入れないはずじゃん……｡｣

黒ちゃんの発言にみんな黙ってしまった。

受け入れたくない現実を突きつけられて、私たちはどうしようもなく立ち直れていないのに、いちばん辛い本人がしっかりとこの現実を受け止めて、前を向こうとしている。

それこそが私たちにとっていちばん辛い。

だからなんて声をかけたらいいのか分からなくなってしまった。

みんなが俯いている中、湧が動いた。

湧｢……ざけんなよ。｣

黒｢えっ…？｣

湧｢ふざけんじゃねーよって言ってんだよ！｣

安｢…ちょっ！湧何してるの！｣

急に湧が怒りだし、掴みかかろうとしたのであじが力づくで止めた。

すると…、湧の目から涙が溢れてきた。

湧「……なんでっ……、なんですぐ、生きるのを諦めようとしてんだよ。……今まであんなに頑張ってきたろっ？成功率が低いし、どうなるか分かんねーけど、最後まで頑張れよっ……｡｣

拳を握りしめて悔しそうに泣いて言った。

黒「……湧…っ俺、、生きたいよ…。｣

つられて、黒ちゃんも涙を流した。

苦しい肺を抑えながら黒ちゃんは言った。

黒「…俺、頑張るよ…！自分のため、みんなのためにっ……！｣

そう言って、黒ちゃんの表情が緩んだ。

無理して作ってない、素直な笑顔だった。

颯｢……そーだよ、それでこそ黒ちゃんだよ…!｣

一気に場が和み、今までの楽しかった日々と重なる。

医｢すみません、そろそろお時間です。｣