好きと好きの一直線【arin】 (ページ2)

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◆二人っきりページ2

朝、目を覚ますと時計の針は9時半を指していて、大ちゃんはもういなかった。

代わりに、枕元に置いてあったメモに汚い字で“コンビニで適当に買ってきたの食べていいよ”なんて書いてある。

リビングに行くと、テーブルの上には確かにコンビニの袋が置いてあって、中にはおにぎりやパンなど色々入ってた。

ありがたいけど、大ちゃんのいない大ちゃんの家で食べるのもなんだか気が引けて、袋だけを持って家を出た。

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自分の家まで電車に乗って帰るのもめんどくさい。

大ちゃんの家からならスタジオまで歩いて行けるくらいの距離だから。

…どうせ今日の夜はラジオあるし。

公園のベンチに座っておにぎりを頬張りながら楽しそうに遊ぶ小さな子供たちを見つめる。

あんな純粋だった時期に戻りたいよ俺も…。

「はぁあ…」

「…あれ？いのちゃん？」

「へ？」

頭上から声がして、ふっと見上げると、そこには見覚えのある顔。

「ひかる…」

「やっぱいのちゃんだ。…偶然！」

ニコニコと笑いながら俺の隣に座る光。
二人でラジオやってるとはいえ、隣同士でここまでくっつくのは久々。

少しドキッとする。

「このあとラジオだし、一緒にスタジオ向かえるね」

「…うん」

光はきっと、俺のことを“良い友達”“メンバー”とくらいにしか思ってないだろう。

けど、彼のことを好きな俺からしたら、

ちょっとだけ期待しちゃうじゃん。

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