好きと好きの一直線【arin】

◆今日も… ページ1

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『もしもし、伊野尾ちゃん？』


仕事終わり、ちょうどスタジオから出た時に大ちゃんからの電話。


「ん、どうしたの？」

『今日の夜会えない？…最近、会えてないでしょ』

「……分かった、今仕事終わったところだし向かうね」

『うん、』






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「ぁ、あ…ん、だいちゃ…っもっと…！」

「っふ、は…欲しがりだなぁ、っ…いのちゃんは…」


大ちゃんの吐息が耳にかかって、ぞわっとくすぐったい感覚。

大ちゃんの部屋。

大ちゃんの匂いに包まれながら行われてる“行為”は、愛を確かめ合うためじゃない。


お互いに、慰め合うため。

お互いに、空いた穴を塞ぐため。



「ぁ…、」

「…疲れたし、もうそろそろしたらやめよっか」


最後に必ず、どこか寂しげに笑った大ちゃんは俺の髪の毛をくしゃっと撫でる。

今日も、そんな切ない笑みを浮かべて上半身裸のままドアの方へと歩いて行った。



「…俺、明日の朝早いし先シャワー行ってくるわ」

「…あ、うん」


静まり返った部屋。

さんざん掴んだり擦れたりしたせいでしわしわになってしまったスーツを軽く伸ばして、ごろんと寝転がった。

恋人でもない俺らのこの関係が始まったのは、もう3ヶ月くらい前。


お互いに酔った勢いで、初めて。

2回目は、俺ん家で。

3回目は、ホテルで。


段々とその関係がやめられなくなってしまって、今に至った。



大ちゃんとこんな関係を持ちながら言うのも何だけど、俺の片想いしている相手には、恋人がいる。

◆二人っきり→

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