27話 嫌悪 ページ28
昨日の夜どうにかヴィル先輩を説得しモストロ・ラウンジで働けるようになった
「それで、許可を貰った、と」
「うん、貰った〜」
「彼は僕のことを嫌がるかと思いましたがね、とりあえず良かったです」
「それな〜…ってうわ」
「はい？なにかおっしゃいました…か」
「せーんぱいっ♡」
ぎゅっと後ろから抱きつかれた
「目、死んでますよ。それじゃあ僕はこれで」
「助けていけよ〜」
「それでは」
と、営業スマイルを振りかざし去っていくアズール
「ほんっとあいつは…はぁ」
「…先輩、迷惑ですか」
「何よいきなりしおらしくなって」
「好きな人の嫌がることはしたくないので」
「別にユウちゃんのことは嫌いじゃないよ。後輩として好きだし。私のため息はあなたのせいじゃないから大丈夫」
と言ってポンポンと頭を撫でた
その日の昼休み顔にスペードが描いてある子に呼び出された
「…ほんとに誰だし」
仕方ない、と思って愛想笑いをしながら彼に近寄る
「何か用、かな？」
「ちょっと来て貰えますか」
私を嫌悪しているのが雰囲気からも伝わってくる
「…それで何」
人気のない校舎裏まで来た
遠いよ…
「あの、監督生に気がないなら頭撫でたりとかやめて貰えませんか」
ぐっとこっちを睨み見て言う彼。
「気は無いけど後輩としては好きだからつい頭撫でちゃうだけなんだけどな。しかも女同士じゃん、何ヤキモチ妬いてるの？そんなこと言ってないでさっさと自分のものにしちゃえばいいでしょ。てか君、だれ？」
「ぶふっ」と吹き出したような声が聞こえた
ぱっと見回すとレオナ先輩とラギーがでてきた
「あ、ども」
「ども、じゃねぇだろ。男らしいこと言ってると思ったらだれ？って…ふっ、」
よく分からないがレオナ先輩のツボにハマったようだ
ラギーはお腹を抱えて笑っている
「バカにしないでください！」
スペードの子が怒ったように言う
「いや、してないよ…もう1回聞くけど君誰？」
「…デュース・スペードです」
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作者名：ぴよぴよ | 作成日時：2020年5月15日 10時
