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💜

「じゃ〜ん!」
箱を開くと、出てきたのはクッキーシュー。蘭たんが、おお!と喜色を露わにしたような声を出して嬉しくなった。
「凄いでしょ、頑張って作ったんだ〜」
「え、店のとかじゃないの?すげ〜!クオリティ高!」
何度も練習した甲斐があった。手に取ってシュークリームをいろんな角度から見ている彼を愛おしそうに見つめると、食べていい?と聞かれる。
「もちろん」
「あ、うま!え、これ一緒に食べよ、ほんと!めっちゃうまい」
「え、そう?うれしい、私も食べちゃお」
あむあむと二人でクッキーシューを貪る。カスタードクリームのとろとろした部分と、クッキーのカリカリした部分がマッチしてとても美味しい。今まで作ったものの中で、一番の出来だ。また勢い良く噛み付くと鎖骨付近にクリームが落ちる。
「あっ!やば…ちょっと蘭たん、ティッシュ取って」
「え?そんなの手で舐め取ればいいじゃん」
「ベタベタするでしょ!」
「えぇ〜?じゃ、ちょっと見せて」
私の持っていたクッキーシューをぶん取って箱にいったん戻し、隣に座る蘭たん。鎖骨に落ちたクリームをじっと見てきて、緊張が走る。
「やっぱこんなの、舐めればいけるって」
彼は逃さないというかのように私の腕を強く掴んで、ぺろりと鎖骨を舐めだした。ザラザラとして湿った感触が、羞恥心を煽る。
「っ…ちょ、蘭、たん…っばか…!」
クリームはとろとろと溶け、彼の舌の動きにつれ少なくなっていく。
「はい、これでいいでしょ」
クリームがなくなると、そっと首筋まで舐められてびくっと身体が跳ねた。
「……ば、ばか、蘭たんのばか、もう知らない」
「えぇ?なんで?」
なんでもクソもない。黙って恥ずかしがっていると、「……ははーん?もしかして、そういう気持ちになっちゃったわけ?」とニヤニヤした顔で聞かれる。
「っ…そんな、わけないじゃん!ばか!もうクッキーシュー全部食べてやるんだから!蘭たんのぶんないから!」
「あーはいはい、どーどー…!素直じゃねぇなあ」
私の鎖骨には彼の唾液が残り、照明に照らされて光っている。まるで彼のものだと言われているようでこそばゆくなってしまうのだった。

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設定タグ:ナポリの男たち , hacchi , npl   
作品ジャンル:恋愛
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メタ子(プロフ) - 鴉さん» ワ!ツイッターのやつそのまま移植したら忘れてました😭!ご指摘ありがとうございます!一生気づかんかったと思うのでほんとありがたいです…!失礼致しました…! (2021年12月5日 21時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新おつかれさまです、ありがとうございます。あの、新しく更新なさったページ、全部名前が”夢主“のままになってます…!わざとでしたらすみません…! (2021年12月5日 20時) (レス) @page41 id: a6ab53d0ed (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - 鴉さん» 鴉さんこんにちは!!ありがとうございます!!!頑張って書いてよかったです〜!!!これからも彼らを生き生きさせられるよう尽力します☺💖 (2021年12月5日 12時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)
- コメ失礼します。あの、すごく好きです…特に3と8の口調が似てて好きです、にゃんとオ蘭も含めてみんな生きててすごいな、と思いました…! (2021年12月4日 22時) (レス) id: a6ab53d0ed (このIDを非表示/違反報告)
メタ子(プロフ) - はるさん» はるさん!お久しぶりです!ありがとうございます〜!!めちゃ嬉しいです🥲💕また溜まったら放出するのでよろしくお願いします…! (2021年10月4日 7時) (レス) id: 304efcf4b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:メタ子 | 作成日時:2021年10月3日 17時

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