Nothing better

やっぱり ページ11

『ただいま戻りました』


玄関をあがり廊下を歩いていると、ちょうどお風呂上がりのやましょーさん。

彰「おう、お帰り。陣さんたちリビングで待ってるから声かけときな」

『はーい』


結構遅い時間の帰宅でも、陣さんは起きて待っていてくれることが多い。

陸「お帰り、迎えにいかなくて平気だった？」

『はい、途中でなっちゃんに会ってここまで送ってきてもらったんで大丈夫です』

陣「ならよかった。風呂入ってはよ寝ぇや」




みんなの予定を書き込むボードに
「撮影、ご飯食べてきます」と書いてあるのを消し、
「昼過ぎまで寝ます。起こさないで！」と書き、自室に行くための階段を上る。



部屋の前まで来ると、隣のドアが開き樹が出てきた。

樹「おかえり」

『ただいま。寛太くんが最近樹がご飯の誘い断るってぼやいてたよ』

樹「確かに最近断ってばっかだ(笑)」

『あいてるとき連絡してあげて、寂しがってるから』

樹「わかった。明日も撮影？」

『ううん、休みだから昼過ぎまで寝る予定』

樹「そ、ゆっくり休みな」

『うん、おやすみ』


いつものように私の頭を撫でて去っていく樹。


修学旅行のあの日を境になぜかよく私の頭を撫でるようになった。



さっきのなっちゃんやメンバー、先輩方にも頭を撫でられることは多いけれど、
やっぱり樹に撫でられるのが１番好きだ。

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