鶯と夜 (ページ7)

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見えない、感じない。
真っ暗で、真っ白。
もう、死んだのかな？

ホーホケキョ

違うな、まだ、君がいる。
寒い寒い。いや、暑い
痛い、感覚もおかしくなってくる
浅い息を繰り返す。繰り返しているはずなのに
酸素が入ってこない、脳に送られない
鼓動も、心なしか弱くなっている気がする
なのに、耳だけは感じる

ホーホケキョ

君の声だけは、聞こえる。

キーーーーン
音がして、ああ、耳も聞こえなくなったのかと思う。
これで一人。一人ぼっち
君の声も、聞こえなくなった

ホーホケキョ

、おかしい

ホーホケキョ

どう考えてもおかしい
そもそも、ウグイスはこんなに頻繁に鳴くのだろうか
脳が働かなくて、単純なこともわからない

ひゅ、体の中からそんな音が気がして
息が、できなくなった
苦しい。苦しい。暑い。熱い。あつい。アツイ
助け、て

ホーホケキョ

声もでない身体を動かすこともできない目も開かない。
他の人から見ればただ、眠っているだけに見えるだろう
数分後に近づいて来る自らの死が、こわい。

ズキン

そんな、音がして、心臓が、止まった、
落ちて行く意識の中

ホーホケキョ

という君の声がまた、聞こえた気がした。