鶯と夜 (ページ6)

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目を開けても光を感じることがない
感じ取ってはいたが、
少し見えていた希望ごと真っ暗に葬り去ってしまった
もう、どうでもいい
それより今、何時なのだろう
お腹が空いた、ような気がする
もうすぐ死ぬのに、どんなときでも腹は減るのか
どうでもいい、どうでもいい

ホーホケキョ

ウグイスの鳴く声がした
つまり今は、少なくとも夜ではない
夜はだめだ。ネガティブになるから
でも、暗いことに変わりはないから夜だろうと関係ない
顔が濡れている感触が私を襲う
私今泣いているのかな
もうそれすらわからない

誰もいない
今度は足が痛みだす。
段々と病気は進行していくから、足の感覚がなくなるのも時間の問題だろう
もう、何もわからない

足の感覚が消えた。なんてあっという間だったんだろう
12年間連れ添ってきた、腕も足も目も
全部なくなる
次は音が消え、喋れなくなり、臓器は機能を停止し、心臓が止まる
なんて呆気ない人生だったのだろう
この病気にかかる人が、私のおかげで減ったとでもあれば、私の人生は、無駄ではなかったと言えるのだろうか

誰もいない
妙に静かな病室

ホーホケキョ

ウグイス、君だけは側にいてくれるんだな
はあ、息が苦しい。肺の機能も止まるのか
そういえば、さっきから声が出ない。
いつのまにか声帯もやられたようだ

どーでもいい
ただ、早く終わってくれ

早く、終わってくれ