鶯と夜 (ページ4)

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ピッ、ピッ、ピッ
規則的な音が私の眠りを阻害する
なんで、なんで私ばっかり
どうして、どうして泣いているの？

ピッ、ピッ、ピッ
うるさい、うるさいうるさい
もう、起きたくない
目を、覚ましたくない

ピッ、ピッ、ピッ
死にたくない
生きたくない

ピッ、ピッ、ピッ
ふわっと意識が持ち上がるような感覚におそわれた
初めて、母に抱き上げてもらった時の
優しさの固まりのような

｢、っゲホ、ひゅー、あ゛、っく｣
一体、どれほど眠っていたのだろう声を出そうにも、喉が枯れて出てこない
ナースコールの存在を確認して、
手を伸ばそうとして、
手が、腕が、動かないことに気づいた
｢・・んかいの・・は、でもきっ・・まだ、だい・・｣
コツ、コツ、と、人が近づく音が聞こえる
よかった、助かる
たすか、る？

ガチャリと、扉が開き、
目を開けている私に心底驚いた様子の主治医と、看護師の顔がみえた。
｢ぁ、く、ごほっ、ひゅ｣
｢は、水、水持ってきます！！｣
いち早く、私の異変に気づいてくれた看護師がわざわざ走って水を取りに行ってくれた

私の喉が潤ったことを確認して、主治医が大きなため息をついた
｢はぁー、よかったゆおちゃんがこのまま目覚めてくれないのかと思った｣
冷静になってみると、二人とも髪が伸びたような気がする
｢私は、どのくらい眠っていたんですか？｣
二人は顔を見合わせた後、曖昧に微笑んだ
｢二ヶ月｣
｢二ヶ月、｣
思わず繰り返してしまった
その様子を見て看護師はまた、泣きそうな顔で
｢ゆおちゃんのねぼすけさん｣
と言った

助かってよかった、思わずでた言葉に衝撃を受けた

助かって、よかった、？