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牛沢side

病院に来て、一緒に入るのは少し気まずかったが、Aをこの状態で1人にしておく訳には行かない。

確かによく考えてみればここ1週間ほど、気分の浮き沈みが激しく、甘えることも多かった。反面、イライラしているような雰囲気もあったり、辛そうにしていたりで少し近寄りがたかったのだ。

Aが診察から帰ってくる。

お薬手帳もあったことで、今まで通りの薬を出してくれたようだ。

『これでまた少しは楽な生活になるよ。うっしー、連れてきてくれて本当にありがとう。』

「いえいえ、気づいてやれなくてごめんな」

『いやいや。まぁ薬もある事だし最悪何があっても自分の体は最低限は守れるよ。』

今回Aは、低容量ピルを処方してもらったのだと言う。以前から飲んでいたもので慣れているものだから副作用などもそこまで心配がないようで安心した。

そのまま俺たちは家に帰った。家に着くなりキヨが「大丈夫か！？」と聞く。かなり長い付き合いだということもあり、多少は事情を把握していたのだろう。

『大丈夫だよー、またお薬貰ってきたし！痛み止めもうっしーが買ってきてくれて、楽になってきた！ありがとう』

効いたのなら良かった。本当に。

今日はAを動かさないということで、俺たちが食事を作ることにした。また、暖かいものにしようという話になり、夜はしゃぶしゃぶにしようとAが言う。

「しゃぶしゃぶを家でめちゃくちゃ食うのって実はAの実家くらいなんだよ笑」

『えー！美味しいのに！じゃあ買い物してみんなで食べよーよ！』

確かに家でしゃぶしゃぶはあまりしたことがない。
買い出しにはAも行くと言ったが、キヨが絶対にダメだと言い、俺以外の3人が買い物に行くことになった。

『キヨ兄！もちねもち。しゃぶもち。あとポン酢！ラムも！』

俺らにはあまり理解できない会話が繰り広げられていたが、まぁ美味しくないことは無い。

その夜はみんなでしゃぶしゃぶを食べまくって夜はキヨが心配に心配を重ねAと寝ることになった。

次の朝、俺たちがAを助け出す羽目になったのは言うまでもない。