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-ky-2 ページ18

キヨside

目が覚め、腰あたりの違和感を感じる。何も無いが、何も無いのがまた違和感だ。しかし、思い出そうとしても、思い出せない。思い出せないことに少しイラつきながらリビングに向かう。

「おー、キヨおはよ」

「おはよ」

『おはよってももうお昼すぎてるけどね』

と、少し不機嫌そうにAが言う。ほか3人はと言うとにやにやしながら、「残念だな」なんて笑ってる。

なんのことやら全くわからない。なんだ？
聞いても誰も答えてくれやしない。うーんと頭を抱えている俺のスマホがﾋﾟｺﾝと音を出す。
見てみるとガッチさんからのLINEだった。そこにあった画像は、俺がAを抱きしめながら寝ている写真だ。

「こっそり撮っちゃった(´＞∀＜｀)ゝ」

「でも、Aちゃんにもバレてないから内緒だよ？笑」

あー…少しずつ記憶が蘇ってくる。確か腰あたりに違和感を感じて、それに手を回して寝た記憶がある。経緯は思い出せない。だから朝、腰あたりに違和感を感じたのか。あったはずのものが無くなったから。懐かしい気がする。やな夢を見ると必ず俺に電話をかけてきて、通話を繋げながら寝ていた。

「俺、全く経緯を思い出せないんだけど、あいつなんかやな夢見たって言ってた？」

「なんかみんながいなくなっちゃったんだって。それでキヨの部屋に行ったら来いってだけ言われたみたいだよー笑」

なんだそれ、俺気持ち悪いな。
その後ガッチさんから聞いた話だと、がっちり俺が捕まえていて、布団から出られなくて困っていたようだ。
確かにLINEを見ると、「たすけてー」というLINEが入っている。

さらにこれもガッチさんから聞いた話だが、もう怖い夢を見ても俺のところには来ないと決めたらしい。布団から出られなくなるし怖かったのにすぐ寝ちゃうし、ということだという。
なんという失態。

「ごめんてーAー、許して！」

『いーよー、もうキヨ兄のとこには行かないもーん』

確かに、ほか3人なら起きて話でも聞いて慰めながら優しく話してくれるだろう。Aがそう決めたならもう諦めるしかない。まぁでも1番Aのことを知っているのは俺だし？1番仲良いし？

と、謎のマウントを心の中で取りながら、なぜちゃんと話を聞かなかったのかと何度も後悔する未来が待っていることは言うまでもない。クソっ。

その言葉通りやはりもう俺のところには来ることはなく、怖い夢や嫌な夢を見るとほか3人のところに行くようになってしまった。