陽だまりのような温かいキミ (ページ31)

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名前の呼び方【fkkj】ページ31

ふかこじ付き合ってます

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深澤side.

「ふっかさん！」

「なぁふっかさん聞いてや～」

「へへっ、ふっかさぁん」

俺の恋人の康二は甘えん坊で泣き虫さんで。
可愛くて守りたくなってしまう。

でも、俺にはちょっと不満が最近ありまして……。

いつものように2人でソファーに座ってまったりして康二は俺の手をいじいじ。

「なぁなぁふっかさん、あんなぁ？」

そう、俺が不満なのは康二が俺の事を「ふっかさん」って呼ぶこと。

もう付き合って結構経つのにいつまで経っても「ふっかさん」って呼ぶ康二。

「ねぇ、康二？」

「なんね？」

「俺のこと、いつまで "ふっかさん" って呼ぶの？」

「へ？」

あぁ……言ってしまった。
今日言うつもりなかったのに、場の雰囲気というやつにやられた。
隣に座って手をイジイジしてた康二はびっくりしている。

「もう付き合って結構経つしさ、"辰哉" って呼んでみ？」

「……ほんまに言わなあかんの？」

「おん。じゃあ、逆になんで康二はずっと "ふっかさん" なの？」

そう聞くと俯いてモゴモゴと口を動かす康二。
聞き直すと、少し頬を赤らめながら「恥ずかしいねんもん！」と言う。

そして、こんな可愛い顔見せられたらいじめたくなるのが俺。

「でも、俺は康二に下の名前で呼んでほしいなぁ。呼ばないならこれから康二のことも "向井くん" って呼ぶよ？」

「うぅ……イジワルやねんふっかさん。」

「はいはい、なんとでもおっしゃい。ほら、"辰哉" って言ってよ。」

口をパクパクしていた康二だが、意を決したのかほんのり頬を赤くそめうるうるした目で見つめられる。

「……たつ、や。」

「………っ、」

「もぉ！なんか言ってや！」

「……康二、やっぱ "ふっかさん" でいいよ。」

「はぁ？」

せっかくちゃんと呼んだのに！とぷりぷりしている康二。

でも、俺はあまりに破壊力がやりすぎて "辰哉"って呼ばれる度に理性が飛びそうだと察した。

やっぱり今は "ふっかさん" 呼びが1番落ち着くししっくりくる。

だけど、いつかは "辰哉" って呼んで欲しい願望もあるかも。

だから、その時は照れずに "辰哉" って呼んでね康二。

fin.