夏休み明けの放課後 ページ10
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いつの間にか長い夏休みも明け、学校は文化祭の準備で追われているが受験生であるこの子らにはそんなの関係なく。
「ちょっとめめ、寝ないで早くやって。」
「だぁああー！分かんない！！」
最近、塾の時間になるまで学校に残り教室で勉強してから帰っていく2人。
夏休み前に受けた校内模試の結果も夏休み明けに返ってき、結果はラウールはA判定よりのB判定。蓮はC判定。
「目黒、結果あんまやってんからもうちょい頑張り。」
「これやっぱやばいよね？」
「んー、もうちょいでB判定やから今の感じで頑張ればいけると思うで。……問題は生物やな。」
目黒とラウールは英語、数学、生物の3科目で受験できる。英語と数学はまだ取れているのに生物だけガクンっと点数が下がっている。
「え、めめ生物だけはちゃんと授業受けてんじゃん。」
「……先生見てる。」
「は？」
「いや、めめバカじゃん。」
涼しい顔をして言う蓮と頭を抱える俺とラウール。
隣にいるラウールには「どんだけ康二くんに惚れてんの」なんて言われる始末。
「あ、ねぇ。今年の文化祭は俺と回ろうねセンセ。」
「いや、ラウールと行きーや。」
「だって去年散々だったじゃん。」
そう言われてしまったら嫌とは言えない。
ラウールなんてニヤニヤしながら俺たちを見ている。
すると、ラウールから衝撃すぎる言葉が飛び出した。
「じゃあ、俺は松村先生と回ろうかなー。」
「「え？」」
「………ラウ、お前勉強しすぎて壊れたか？」
「めめに言われたくない。」
蓮とラウールの会話を聞きながら俺は微笑ましくなる。
そっか、ラウールもか。
「誘えたらええね、ラウール。」
「うん！」
ラウールは俺の言葉に嬉しそうに返事する。
蓮はまだラウールに問い詰めてるし、ラウールはほとんど無視して勉強している。
受験生になるとずっと勉強しないといけないかもやけど、たまにはこんな放課後もいいかもな。
「ほら、目黒もあとちょっとで下校時間なんやからはよやるで。」
『夏休み明けの放課後』fin.
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作者名：shiro. | 作成日時：2020年11月13日 12時
