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「もうちょい静かに開けんかい!」と注意しようと顔をあげるとそこにはさっきまで会話に出てきてた人が。

なんでここにいるのか、と疑問に思っているとズカズカと俺の机の方に向かってくる。










「なになに、どーしたん。」


「俺、行きたい大学決めた。ラウと同じとこ行く。」


「お、おう。」


「あと塾行くことにしたから夏休み会えない。あ、でも花火は今年も一緒に見よ。それだけ。じゃあね、せんせ。」









そう言うなり満足気な顔をして職員室を出ていってしまった。
何が起こったか未だ理解出来ず、呆気に取られていると苦笑いした北斗がやってくる。
同じ職員室内にいた阿部ちゃんとふっかさんなんて固まってる。











「さっき面談終わって、まだ康二いるよ?つったら教室飛び出すわ、追いかけるのに必死だわ、ホント疲れる。」


「まじ、何が起こった。」


「目黒、ホント真っ直ぐというかなんというか……」


「……あいつ、もうちょい危機感持てやほんま。」









4人でそう言いながら顔を見合わせ苦笑い。


北斗に詳しく聞くと、この前の土日にラウールに連れられてオープンキャンパスに行ったらしい。
そこで、やりたいことを見つけたんだと。










「やりたいこと見つかって良かったぁ……。」


「でも、お前に1番に言ってなかったじゃん。いいの?」


「んー、そこはあんまりこだわってないな。あいつにもあいつのペースがあるしな。」


「………はいはい、何だその惚気。」










そう言って北斗は机に戻り仕事を始めた。
LINEの通知音が鳴り、開くと「今度、生物教えて」の文字が見える。





あいつのやりたいことを叶えるために手伝うことがこれから俺のやるべき事。









蓮とラウールが笑って合否の報告をしに来れるように、そう願いながら俺はLINEの返事をした。













「塾ない日に教えたるから教室おいで。頑張れ、蓮。」














『進路相談期間』fin.

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作者名:shiro. | 作成日時:2020年11月13日 12時

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