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新年明けましておめでとうございます、という教頭の一言から始まった朝の職員会議。
いつもより少し長かった会議も終わりSHRの為阿部ちゃんと一緒に教室へと向かう。
「ねね、それあの人からでしょ?」
「んぇ、」
「どっから出たその声。じゃなくて、ネクタイとネクタイピン。初めて見る……。」
「あぁ、クリスマスプレゼントで貰ってん。この為にバイトしてくれてんてー。」
「愛されてるねー。」
とニヤニヤしながら阿部ちゃんは自分のクラスへと入って行ってしまった。
蓮との関係が元に戻ったことは報告済みだったがプレゼントを貰ったことは言っていなかった。
いつかバレるだろうな、と思っていたがまさかこんな早くバレるとは……。
はぁ、と一つ息を吐き俺も教室に入る。
「おはよー」
「あ、先生あけおめー!」
「あれ、先生そのネクタイピン可愛い!」
生徒に挨拶しながら入ると教卓近くで話していた女の子たちに捕まってしまった。
「そのネクタイ初めて見る!」やら「誰から?もしかして彼女さん!?」やら朝から質問攻め。
「もぉ!せんせー勿体ぶってないで教えてよ!」
「はぁー、恋人から貰ったんよ」
「えーー!!てか先生彼女居たんだね!」
「せんせカッコイイもんね当たり前か……。」
と教室の前が少し、というよりだいぶ賑やかになる。
キャーキャー騒ぐ女の子たちに苦笑いしながらふと目に入ったのはこちらを見ながらニヤニヤする蓮とラウールの姿。
「お前の恋人が捕まっとんのに助けに来んか!」
と思ってもそれは無理な話だから諦める。
女の子たちの質問に適当に答えながらSHRを強引に始め、一限が始まる直前に職員室に戻る頃には自分でも分かるぐらいげっそりしてたと思う。
「……ニヤニヤして見とったことは許せんぞ、蓮。」
という独り言は一限の始まるチャイムの音でかき消されてしまった。
『点灯式のその後』fin.
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作者名:shiro. | 作成日時:2020年11月13日 12時