出会った時からスキ番外編 (ページ13)

今日:16 hit、昨日:25 hit、合計:72,136 hit

最後の体育祭ページ13

·

この前、文化祭が終わったばっかだというのに今度は3年生にとっては最後の体育祭がやってくる。

今年は去年よりレクリエーションの種目を増やすらしく生徒会の子たちはよく職員室に訪れていた。

「阿部先生、これってやっても大丈夫なんですか？」

「あー、まぁ大丈夫だと思うけど……」

「傷つく人とかいないっすかね。」

阿部ちゃんは生徒会の先生だからなんか忙しそう。
さっきから生徒会役員の子らが阿部ちゃんのデスクに訪れてはこれはどうですかやら、これ使ってもいいんですかやら、と資料の紙が右往左往している。

「じゃあ、とりあえずこっちで。」

「「ありがとうございました！」」

「あ、資料1個にまとめて置いといてね。あとで取りに行くよ。」

かれこれ20分ぐらいかけて終わったらしい。
担任も持ってるから大変だろうに一切そんな素振りを見せない阿部ちゃんは出会ったころから変わらない。

「阿部ちゃん、おつかれ。」

「ふふっ、康二もお疲れ。見てたの？」

「なんか大変そうやなぁ、って。仕事しながらやけどな？」

「大変だけど楽しいから全然。あ、今年の生徒会主催の種目楽しみにしといてね？」

「そんだけ協議したら絶対いいやつやん。」

「まぁねぇ。今年は楽しくなるよ？」

ふふっ、と笑った阿部ちゃんは「上に企画内容見せに行かないと行けないから」といい職員室を出て行ってしまった。

意味深な阿部ちゃんの発言に疑問に思ったが特に気にすることなく残りの仕事に取り掛かった。

.